民泊は、日本の交通の便が悪い古い時代から、困った人を助ける精神で行っていたボランティア的要素の強い好意でした。
現在は、ネットの普及や外国人がヒッチハイクなどで日本を周ることも増え、有料で民泊を行う人が多くなっているのです。
しかし、新しい法律に基づく民泊特区以外は、きちんと保健所に届けて営業しなければ違法になり、懲役や罰金の対象になる場合もあるでしょう。
今回は、民泊の仕組みや許可のとり方、民泊特区の紹介や民泊によるトラブルについても徹底的に解説いたします!
記事の目次
民泊って何?
今、色々とニュースで話題になっている民泊ですが、イマイチ判らないという人もいらっしゃいます。
民泊とは、旅館やホテルではなく、普通の人が暮らす家の1室やマンションなどに有料で旅行者などを宿泊させるものです。
外国人が日本を訪れる機会が増えたため、政府も民泊特別区を設定し、試験的に民泊を推進しています。
普通の家に泊まらせるとは言っても、特区で無い場合は、旅館業法の許可が必要になるので、違法な民泊を行っている人も多いです。
民泊新法では、かなり緩和されている部分もありますので確認しましょう。
日本での民泊の歴史と流れ
例えば、四国で現在でもお遍路さんをよく見かけますが、地元の方は、お遍路さんを自宅に無償で泊めたり、食事を出してくれたりすることもあります。
地元の人にとっては、お遍路さんの助けになることが仏教の教えに従うことであり、日本人の多くがその精神を受け継いでいます。
しかし、農業や漁業の体験民泊が増えたことで、民泊という考え方がかなり定着してきました。
旅館やホテルに泊まるのも良いのですが、特に外国人の方などは、ホテルよりも日本人の暮らしを見たいという人も多いのです。
そういう方のリクエストにこたえる形で2008年頃から新しいビジネススタイルとして認知されたのが民泊になります。
現在では、オリンピック開催を控え、宿泊施設が足りない事が指摘されていて、民泊の活用を政府が主導して行う流れになっています。
民泊特区では、許可なども簡素になっていて、民泊を始めたい方には最低限の経費で始められるチャンスになっているのです。
多くの民泊サイトが存在し、インターネット経由での利用も増加傾向にあります。
民泊ってどんな部屋に泊まる?
民泊では、個人の家の空部屋や空き家、マンションの部屋などに宿泊します。
活用していない不動産を持っている方や、家が広すぎて空部屋に格安で民泊してもらっても困らない人が始める事を検討しています。
民泊を利用する人はどんな人?
現在の所、民泊を利用している人は、外国人、ビジネスマン、若い日本人です。
旅館やホテルに比べると料金が非常に安い為、外国人のヒッチハイカーなどが利用する事も多いですし、長期出張のビジネスマンが民泊を利用する事もあります。
また、若い女性や男性のグループなどで民泊を利用する事も近年増えています。
ファミリー層や高齢者が民泊を利用する事は現在の所少ないようです。
民泊新法の特徴
以前から民泊に関する法律もありましたが、6泊7日以上の宿泊という条件があったため、利用者はほとんどいませんでした。
民泊新法がつい最近施工されましたが、こちらでは、宿泊条件の6泊7日がなしになったので、1泊での宿泊も可能になり、民泊を行いやすくなったのです。
ただし、大阪市の場合は、2泊3日以上という宿泊条件があります。
特に国際交流を目的とした家主居住型の民泊の場合、行政に届出を行い、立ち入り検査でパスすれば、すぐに営業ができるようになっていて注目されています。
旅館業法で必要なフロントの設置も必要ありませんので民泊をしたいという人も増えていますが、営業日数が180日と制限されていますのでビジネスで行いたい方は気を付けましょう。
民泊許可はどうやってとるのか?
民泊許可は次のような準備をしてからになります。
- 建物が旅館業の要件を満たしているか確認(市町村建築指導課)
- 都市計画法に基づく建物か審査(市町村開発審査課)
- 消防法令適合通知書の取得(市町村消防局予防課)
- 条例に反していないか確認(市町村都市計画課)
これらの確認や審査が終わってから、保健所に旅館業の許可申請を出します。
保健所に申請を出したら終わりではなく、消防署や警察署、都道府県庁などへ紹介され、必要があれば更に書類を準備するのです。
民泊の許可は、簡単にとれると思っている人もいますが、要件を満たしていないと許可はおりませんし、なかなか大変です。
司法書士など、民泊許可をとる支援サービスを行っている所があるのですが、費用は20万円程と結構なお値段です。
特区民泊は旅館業の許可がいらない
国家戦略で民泊の特区になっている地域がありますが、こちらだと旅館業の許可などがいらないので、民泊を始めやすいです。
ただし、現在の所、東京都の大田区と大阪府だけです。
旅館業の許可はこの地域だと取らなくても民泊を始めることができます。
ただし、25㎡以上など細かい規定がたくさんありますので、そちらを守らなくてはなりません。
また、マンションなどの場合、近隣住民に説明が必要ですし、賃貸の場合、マンションを貸している人やマンション組合の許可が必要です。
旅館業の許可をとるよりは、かなり簡単に民泊許可がとれるようになっています。
旅館業の許可は保健所で
飲食店の許可も保健所になりますが、旅館業の許可も保健所になります。
例え、民泊で食事等の提供が無くても保健所への届け出や許可申請が必要になるのです。
保健所に申請を出すまでには、様々な確認や審査があります。
許可が下りるまでにかなりの時間がかかることもありますので、まずはどのような手続きが必要なのか、保健所に相談してみましょう。
許可を取らずに民泊させたらどうなる?
ネットで民泊希望者を募り、旅館業などの許可をとらずに民泊させている人が、残念ながらたくさんいらっしゃいます。
しかし、旅館業の許可をとらずに有料で民泊させた場合、犯罪になりますので気を付けましょう。
無届けで民泊させた場合、旅館業法違反として6ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金になることがあるのです。
平成29年3月に民泊の新法ができましたが、無届だと厳しく罰せられることが予想されます。
すでに、何人も逮捕されていますので、きちんと許可を得てから民泊を始めてください。
民泊サイトの特徴とは?
現在、民泊は急成長を遂げていて、様々な民泊サイトが出現しています。
- Airbnb
- とまりーな
- FLIPKEY
- STAY JAPAN
- Agoda
- 一休.com
民泊サイト再大手がAirbnbです。
世界中の190か国以上にある民泊施設を紹介するサイトで、通算ゲストは150万人以上です。
ただ、Airbnbは、違法な民泊施設も載せている為、トラブルも多くなっています。
「とまりーな」や「一休.com」、「STAY JAPAN」などは、日本のサイトなので、初めて民泊サイトに登録される方はそちらが良いかもしれません。
まずは、きちんと許可や届け出をして始める事が重要です。
民泊トラブルあれこれ
民泊では、トラブルも多く発生します。
特に外国人とのトラブルが起こることも多いのでご紹介しましょう。
- 夜中に大声を出す
- 宿泊予定を過ぎても帰らない
- お金を払わない
- 備品を持って帰る
- 備品を破壊する
他にも民泊では様々なトラブルが起こります。
ホテルや旅館もそうですが、民泊でも大なり小なりトラブルが起こると思った方が良いでしょう。
最初から、部屋に最低限の備品だけ置くなど、トラブル防止対策を行った方が良いでしょう。
民泊サイトによっては、トラブルが多いゲストの評価などを見ることができる機能がありますので、よく調べてから宿泊をOKするかどうか決めた方が無難です。
特に家の一軒貸しやマンションの1部屋を貸す場合は、これらの事に気をつけないとトラブルになりやすくなります。
まとめ
民泊は、新しいビジネスモデルとして注目されていますが、考えなしに届出等もせず民泊サイトから始めると後から困ったことになる可能性もあります。
民泊新法ができたことによって、違法な民泊施設を摘発する機会が日本では増えていくと言われているので、もしも、今、民泊サイトなどに登録していて、許可などを取っていない場合、許可申請の検討をされた方が良いです。
すでに、数軒の違法な民泊が摘発されていますので、早めの対応が望まれます。
今後、ますます、外国人の民泊者が増えると思われますが、欧米人だけではなく、中国や東南アジアの方も多いでしょう。
英語だけではなく、中国語や韓国語の民泊ツールを作るなどして募集すれば、ビジネスチャンスはかなり広がるはずです。