所有している土地の活用法でアパート経営を考えている方もいると思います。
アパート経営を考えた時にまず「資金はいくら必要なのか」「本当に儲かるのか」「どのようなリスクがあるのか」という疑問が出てきますよね。
アパート経営は土地活用の中でも最もメジャーな土地の活用法であり、家賃収入えお得られるなどの大きなメリットもありますが、事前の情報収集や準備をしっかりしておかないと大きなリスクを背負う可能性もあります。
ここではアパート経営について詳しく解説していきます。
記事の目次
アパート経営に向いている人とは?
まず最初に自分がアパート経営に向いているのか、向いていないのか判断しなくてはなりません。
ここで判断を誤ると後に大きなリスクを背負う可能性にも繋がります。
アパート経営に向いている人とは主に以下のことを言います。
- 家賃相場が高い地域に土地を持っている
- 土地価格が高い地域に土地を持っている
- 住みやすい、環境のよい地域に土地を持っている
- 土地活用で比較的安定性を重視している
家賃相場が高い地域に土地を持っている
家賃相場が高いということは、人気がある地域、需要があるということになります。
なのでそのような地域に土地を持っている方はアパート経営に向いているといえます。
土地価格が高い地域に土地を持っている
土地価格が高い地域に土地を持っていると、
- 「固定資産税が高い」
- 「相続税の心配」
などの悩みがあると思いますが、アパート経営を行うことで固定資産税が最大6分の1になり、相続税は地域によりますが18%~21%減になり節税効果が高くなります。
さらに自己資金がない人でも、土地の担保評価が高くなりますので事業費のほぼ全部を金融機関からの借り入れで賄うことができます。
そのため、土地価格が高い地域に土地を持っている方にはアパート経営がおすすめです。
住みやすい、環境のよい地域に土地を持っている
周りに大きな道路や線路が無く静か、近くに生活に便利な施設がある、日当たりがよい。
このような地域は生活環境条件を満たしていて、アパート経営に向いている可能性が高いです。
また駅から徒歩10分以内などの利便性が高い土地であれば、アパート経営だけでなくマンション経営も視野に入れて検討してみることをおすすめします。
土地活用で比較的安定性を重視している
数多くある土地活用法の中で、「ソーラー経営」の次に安定しているのが「アパート経営」になります。
もちろん土地のある地域の利便性やアパートの需要度の高さによって安定経営が出来るかどうか決まりますが、土地活用のかなで比較的安定した経営方法はアパート経営になります。
安定性を重視する方にはおすすめです。
アパート経営のメリット・デメリット
アパート経営を検討した際にまずはメリット・デメリットをしっかりと理解しておく必要があります。
その上でご自分の土地活用の目的に合っているか判断をすることが大切です。
アパート経営でのメリット・デメリットには以下のことがあります。
アパート経営のメリット
- 節税効果が高い
- 比較的安定性が高い
- 収益物件として投資用で売却できる
- 土地対応性が高い
- 地域によって高収入になる可能性がある
アパート経営のメリットとして1番注目したいのが節税効果が高いということです。固定資産税、都市計画税、相続税における税金を大きく節税できます。
また家賃は景気に左右されにくく、一度入居が決まれば数年単位で住んでもらえるということから安定性も高いです。
住居系の建物は法律の建築規制が少ないので、ほとんどの地域で建築可能であります。
アパート経営のデメリット
- 費用が高額になる(数千万円~数億円)
- 長期経営をしないとプラスにならない
- 転用性が低い
- 居住希望者の要望に対応することも必要になってくる
- 地域によって空室や家賃下落の可能性がある
アパート経営の1番のデメリットは投資費用が高額且つ転用性が低いので、長期的経営が前提になるということです。
なので間取りなどは最初に計画を立てる時点で20年後30年後を見越して計画を立てる必要があります。
長期的経営の中で世間の求める要望の変化などもあるので、最初はよくてもだんだん空室が増えるなどのリスクはあります。
アパート経営の資金はいくら必要なの?
では実際にアパート経営を始めるのに資金はいくら必要なのか詳しく説明していきます。
アパート本体の建築費用
アパート本体の建築費は、総面積や室内設備、建築構造が木造か非木造かで大きく変わります。
比較対象が難しくなるので、ここでは東京周辺での平均値を目安にまとめました。
住戸の種類 | 1K | 1DK | 2DK | 3DK |
1㎡当たりの単価 |
12万円~15万円 |
|||
1室当たりの建築費 | 240万円~300万円 | 360万円~450万円 | 480万円~600万円 | 600万円~700万円 |
総建築費(8戸) | 1,920万円~2,400万円 | 2,880万円~3,600万円 | 3,840万円~4,800万円 | 4,800万円~6,000万円 |
アパート本体以外の工事費用
アパート本体以外にも必要なものがあります。まずは駐車場、外溝工事費があります。
その他にも地方自治体で決められているアパート建築に関する負担金(水道負担金、下水道負担金、教育負担金)これらがアパート本体の建築費用の20%くらいといわれています。
その他登録諸経費、各種保険などがあり8世帯アパートで100万円~200万円かかります。
資金を調達する
アパートを建てるのにだいたいお金がいくらかかるか分かりましたね。
実際にアパート経営を始めるのには多くの資金が必要になります。貯金で賄える人はいいですが、多くの人は金融機関から融資を受ける選択をすると思います。
資金調達をする際にどういった点に注目すればよいかまとめました。
- 金利の安い時期
- 何年で返済予定か
- 自分にあった返済方法(繰り上げ返済制度など)
金融機関は沢山あります。その中から金利などを比較して借り入れする金融機関を選択する必要があります。
アパート経営で起こりうるリスク
では実際にアパート経営を始めてからどんなリスクが起こりうるのか説明していきます。
家賃滞納
入居者がいれば家賃は入ってきますが、中には滞納者も出てくる可能性もあります。
滞納者の傾向としては収入の低い若い単身者が多いです。
入居者審査では完全に防ぐ事はできません。審査を厳しくしすぎると入居者が減ることもあります。
若い世代は家賃滞納のリスクも高いですが、アパート経営において多きなマーケットになります。
需要の変化
アパート経営ではいかに入居率を高くして家賃収入を維持していくかが重要なポイントになりますが、入居率の減少はどうにもならない問題を含んでいる場合もあります。
大きな需要ポイントとなる大学や工場が近くにあったのが移転してしまったり、離れた土地で再開発が行われたり、大きな商業施設などがおこるとアパートの需要にも影響がでてきてしまいます。
金利の変動
アパートを始めるのには大きな資金が必要です。
金融機関でローンを組む人が多いと思いますが、長期で返済していくのに金利は重要なポイントになります。
金利が高くなったので家賃を上げます、ということは出来ません。
アパートの築年数が経てば経つほど逆に家賃を下げなくてはならなくなる可能性があります。
現在は金利が安くても今後高くなる可能性は十分にあります。そうすると返済金額も高くなります。
なので金利動向をチェックしながらリスクを考え選択しなくてはなりません。
自然災害
日本はとにかく自然災害が多い国です。
1番大きな被害が出るのが地震です。次に火災になります。
火災保険はありますが、この保険は地震、津波、噴火の保証はありません。
自然災害は予測不可能なのでせっかく建てたアパートが災害で失われてしまう可能性もあります。
事故物件
入居者で自殺者が出てしまうとその部屋は事故物件となってしまいます。
自殺者が出た際のクリーニング代はご家族にお支払いしてもらうことはできますが、損害賠償の請求は不可になります。
家賃を下げたとしてもなかなか入居者が決まらないことが多いです。
事故物件の部屋に2年以上継続して入居してもらえれば、その次の入居者からは事故物件と告知する義務はありません。
アパート売却の際は20年間は告知の義務があります。
アパート経営をしているとの他にも様々なリスクが発生する可能性があります。
まとめ
ここまででアパート経営に必要な資金と起こりうるリスクについて解説してきましたがご理解いただけましたでしょうか。
アパート経営は土地活用するのにはとてもメリットもありますが、同時にリスクも沢山あります。
アパート経営をする際にはまずリスクに目を向け、よく検討したうえで計画を立ててください。