家は大きな財産の1つですよね。
その家を手放すという決断に至るには、遠い場所への転勤や定年後に田舎や都会など住みたい場所への移住など人それぞれの理由があると思います。
家を売る時に住宅ローンが完済しているのか、まだローンが残っているのかで状況は変わってきます。
ローンが残っている場合には売却金額でローンが完済できるのか、家を売ってもローンだけ残ってしまうのか。
そもそも家を売るのってどうやればいいのかその他にも、疑問や悩みは沢山ありますよね。
そんな家を売るのにどうすればいいのか、どんな方法があるのかをここでゼロから徹底解説していきます。
家を売るには?
まず家を売ると決めてから実際に売却するまでの流れを解説していきます。
家を売る理由を明確にする
家を売るということは簡単に決断できることではありません。
後で後悔なんてことがない様にしっかりと家を売りたい理由を明確にしてその後の計画をイメージすることが大事です。
まずは売りたい理由を明確にし、その上で希望売却価格や売却の時期をイメージしていきます。
そうすることで今後の売却までの流れを把握しやすくなります。
売却価格の相場のリサーチ
業者に査定を依頼する前に家の状態(築年数など)や地域を踏まえた条件での相場価格をリサーチしておきましょう。
相場を知ることで1つの目安を立てれると同時に、業者に査定を依頼した時の比較も出来るようになります。
不動産会社に査定を依頼する
不動産会社に家の査定を依頼します。
ここで複数の不動産会社に査定を依頼して比較しましょう。
この時に査定金額だけでなく不動産会社の対応などもみて、今後よい取引ができそうか見極める必要があります。
不動産会社との契約を結ぶ
不動産会社へ家の売却の仲介を依頼する際には媒介契約という契約を結びます。
この契約には3種類の形態があるため、どの形態がよいか決定します。
専属専任媒介契約
特定の不動産業者に仲介を依頼したら、その他の不動産業者への依頼をしてはいけない契約になります。
依頼を受けた不動産業者は依頼主に対して、1週間に1回以上売却に関する活動の報告をする義務があります。
さらに売却希望物件を国土交通大臣の指定する流通機構に登録しなくてはなりません。
また、依頼主は自分で購入希望者を見つけることはできません。
専任媒介契約
専属専任媒介契約と同じく依頼できるのは特定の不動産業者のみの契約で、売却希望物件を国土交通大臣の指定する流通機関に登録をしなくてはなりません。
不動産業者は依頼主に対して、2週間に1回以上の売却に関する活動の報告をする義務があります。
また、依頼主は自分で購入希望者を見つけることができます。
一般媒介契約
上記2つの契約とは違い、複数の不動産業者に仲介を依頼することができる契約です。
不動産業者の依頼主に対する売却に関する活動報告の義務もなく、依頼主も自分で購入希望者を見つけることができます。
媒介契約には上記3つの契約形態がありますが、似ているし分かりづらい分部もあるので分かりやすくまとめました。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者への依頼 | できない | できない | できる
|
契約有効期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 無期限 |
依頼主への報告業務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | なし |
指定流通機構への登録義務 | あり | あり | なし |
購入希望者の自己発見 | できない | できる | できる |
※一般媒介契約は指定流通機構への登録を任意で行うことができる。
物件を売り出す
契約後はいよいよ物件の売り出しに入ります。
売り出し価格は今後の売却活動に大変影響しますので、自分の希望売却価格や不動産業者の査定価格だけでなくエリア事情ばどを踏まえ慎重に決めていきましょう。
購入希望者との交渉
購入希望者が現れたら、物件の価格だけでなくその他の条件についても交渉をしていきます。
その後、物件情報を購入希望者に提供していきます。
物件に関する情報は正確に提供しましょう。特に不具合や欠陥箇所は誠実に購入希望者に伝えることが、契約後のトラブル防止に繋がります。
不動産業者の物件調査には積極的に協力しましょう。
売買契約を結ぶ
双方が売買条件に合意したらいよいよ売買契約を結んでいきます。
この時に発生する手付金は一般的に物件価格の10%~20%程度になります。
物件の引渡し
契約が無事に結ばれましたら物件の引渡しに入ります。
物件価格の残金(先に手付金を頂いている場合)の受領と同時に抵当抹消権や所有権の移転とうの登録申請を行います。
物件の引渡し時には立ち会って細やかな設備等の取り扱いの確認をしましょう。
引渡し後は税務申告などの手続きを忘れないように注意しましょう。
以上が物件の売却の流れになります。
家の売却をするにあたって大事なポイントは依頼する不動産業者選び、物件の売却金額、売買条件、契約内容になります。
契約を結んだ後に何かあってもどうすることもできなくなってしまうので、契約内容の確認は念入りに行うようにしましょう。
住宅ローンの返済ができなくなった場合
毎月の住宅ローンの返済が厳しくてこれ以上返済していけなくなってしまった人には、物件の任意売却という方法があります。
任意売却とは、抵当権が設定されている物件の場合売却金額がローン残高よりも高ければ何の問題もありません。
しかし問題なのは売却金額がローン残高を下回っている場合です。
これまではローン残高を一括で返済しないと家を売却するのは難しかったですが、任意売却では債権者との合意を得られればローンを残したまま抵当権を解除することができます。
これにより債権者に物件を差し押さえられて、競売にかけられ安い金額で売りに出される前に対応することができます。
必要な書類は?
家の売却に必要な書類は多々ありますが、何が必要かは不動産業者が提示してくれますし、不動産業者の方で書類を取得してくれるものもあります。
しかし事前に必要書類を用意しておくと売却までスムーズに進みますし、いざ書類を用意しようとしても平日の昼間でしか取得できない書類もあるので時間がかかる場合もあります。
大切な購入希望者を逃さないためにも、事前準備をしておきましょう。
物件の売却に必要になる書類を紹介します。
- 登録簿謄本(登記事項証明書)
- 登記済権利証、登記識別情報
- 建築確認済証、検査済証
- 固定資産税納税通知書、課税明細書
- 本人確認書類
- 実印、印鑑登録証明書
- 付帯設備および物件状況確認書
以上が物件の売却に原則必要な書類になりますが、依頼する不動産業者によってこの他にも必要な書類が出てくる可能性もありますので、依頼を検討したら始めに聞いて準備をするとよいでしょう。
各書類について
上記で紹介した原則必要な書類についてどこで取得できるのかなど詳しく説明していきます。
登録簿謄本(登記事項証明書)
各地にある登記所で取得することができます。この書類は不動産の権利関係、建物の床面積、土地面積などが記されています。
土地と建物は異なる不動産として扱われているため、土地と建物でそれぞれの登録簿謄本があります。
登記済権利証、登記識別情報
不動産や土地の権利書とも呼ばれる書類で、不動産の登記が完了すると登記名義人に交付されます。
この書類は再発行が出来ないので非常に重要な書類になります。
実務上この書類で不動産の所有権者としての本人確認が行われます。
建築確認済証、検査済証
戸建の所有者が持っている書類で、各役場から交付され建物が建築基準法に適合していることを証明する書類になります。
物件の査定時には必要ありませんが、売却の時に法律に適合している建物である事を証明するのに必要になります。
書類自体の再発行はできませんが、書類を発行したことを証明する証明書は発行してもらえますので紛失していたとしても問題はありません。
固定資産税納税通知書、課税明細書
売却物件の固定資産税評価額や税額が記されているため、物件の査定などに使われます。
紛失していたとしても代わりになる書類を役場で発行してもらえます。
本人確認書類
不動産売却では必ず本人確認をします。
一般的によく使われるのは運転免許証でその他でもパスポートなど顔写真付きのものを使います。
不動産の不正取引を防止するための絶対的な条件になるため必ず本人確認を実施します。
実印、印鑑登録証明書
印鑑登録証明書は役場に申請すると発行してもらえます。
不動産会社に提出する際に3ヶ月以内に発行されたものと指定されている場合が多いので、確認しましょう。
付帯設備および物件状況確認書
付帯設備と物件状況を記載して購入者に報告するもので、不動産業者が書類を用意します。
もし物件に不具合などがあったとしても嘘をつかずに正直に記載しましょう。
税金はかかる?
家を売却した時に取得した所得をお譲渡所得といい、譲渡所得に対する税金も課税されます。
しかし、物件が購入価格よりも安く売れた場合や、売却にかかった費用を差し引くと利益が出なかった場合は、譲渡所得がないということになり税金はかかりません。
不動産を売却した場合は、利益があっても無くても必ず確定申告をしなくてはなりません。
もし利益があった場合にはその利益に応じた額の税金を納税しなくてはなりません。また利益がなかった場合には所得税の還付を受ける事ができます。
確定申告をしないと罰金の支払いを命じられることがあります。
家の引き渡しが終わって一安心するところですが、忘れずに確定申告を行いましょう。
まとめ
家の売却を決断するのにはいろいろな理由があると思います。
大事なマイホーム手放すことになりますので、できるだけ良い取り引きをしたいですね。
ここで解説したのは家の売却に最低限必要な情報になると思います。
少しでも情報を持っていると売却までがスムーズに行くかと思いますのでぜひ役立てていただけたらと思います。