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駐車場経営の資金はいくら必要?個人経営のリスクや失敗しない方法

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駐車場経営の資金はいくら必要?個人経営のリスクや失敗しない方法

駐車場の個人経営には資金はいくら必要なのでしょうか?資金ゼロでもできるものでしょうか?初期費用や税金はいくらくらいかかるものでしょう?

土地購入時に気をつけるポイントやリスク、失敗しない方法について考えてみましょう。

駐車場経営にはどんなスタイルがある?

駐車場経営にかかる費用についてお伝えする前に、まずは、駐車場の形態や経営方法にはどのようなスタイルがあるのか知っておきましょう。

駐車場の形

駐車場の形は大きく分けて二つあります。

立体駐車場

立体駐車場は数階建ての建物になっているため、同じ面積の土地でも多くの台数を駐車できます。そのため、短期間で効率よく利益を上げる事が可能です。

しかし、建物の建設費用がかかるため個人が手を出すにはハードルが高いでしょう。

平面駐車場

平面駐車場は建物が無く、土地そのものに車を駐車するスタイルです。舗装などに費用がかかりますが、立体駐車場に比べれば安価です。

相続などで手に入れた土地があまっているため、何かに利用したいと考えている人や、駐車場の個人経営で利益を上げたいと考えている人には、まずは平面駐車場の運用がおすすめです。

平面駐車場の経営の形態と資金

個人でも始めやすい平面駐車場のスタイルは、大きく分けて以下の2種類です。

コインパーキング

コインパーキングは、1分いくら、10分いくらと言うふうに、時間で料金を決めて、駐車スペースを貸し出すスタイルです。コインパーキングのほとんどは24時間営業です。

精算システムにはゲート式とフラップ式の2種類がありますが、5台~10台規模の駐車場で300万円ほどの機械代がかかります。

あとで詳しく説明しますが、管理会社と契約し、機械代などの初期費用なしで運用する方法もあります。

コインパーキングは、人の出入りの多い場所で営業すれば利益があがりますが、利用者の少ない場所で運営しても利益は上がりません。

利益率は利用者に左右されますので、個人で運営する場合は事前のリサーチが欠かせません。

月極駐車場

月極駐車場は一ヶ月ごとの料金を決めて貸し出す方法です。都内の相場は、一ヶ月1万円~3万円です。地方にいけばさらに安い場合もあるようです。

月極駐車場の場合はコインパーキングのような機械も必要ないですから、初期費用が安くすみます。しかし、それでも、舗装の費用や税金はかかります。

平面駐車場経営の方法と資金

駐車場経営の方法には、以下の二つの方法があります。

個人経営

個人経営の場合は、土地代をはじめとして、舗装代、機械代、メンテナンス費用、宣伝費など全てを自己負担で行います。その代わり、利益は全て自分のものです。

成功すれば利益は大きいですが、しかし、失敗したときの損失も大きく、リスクが高いのが個人経営です。

駐車場経営など不動産経営の経験が豊富で、しっかりしたノウハウがある人には、個人経営のほうが良いのかもしれません。

駐車場経営会社に土地を貸し付けると資金ゼロでも可能

駐車場経営会社に経営をお願いする管理委託方式と、土地を貸し出す一括借り上げ方式がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

・一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、土地を駐車場経営会社に貸し出し、毎月一定の賃料を受け取る方法です。

オーナーは土地を貸すだけですので、清掃や貸し出し業務や、設備投資なども運営会社が行います。そのため、資金0円からスタートできる場合もあります。

一括借り上げ方式は、駐車場経営の利益が多いときも少ないときも、一定の賃料を貰う契約です。

そのため、儲けが多いときは損をした気分になるかもしれませんが、儲けが少ないときも一定の賃料をもらえます。したがって、大きく損をすることはありません。

低リスクであまっている土地の運用を考えている人には、一括借り上げ方式がおすすめです。

・管理委託方式

管理委託方式は、駐車場経営の利益のうち何パーセントかを、オーナーがもらえる方式です。こちらは、利益があがればあがるほど、オーナーの取り分が増えます。

こちらのほうが、一括借り上げ方式よりもお得に感じるかもしれませんが、利益が上がらない場合はオーナーの取り分も減るというリスクがあります。

駐車場の個人経営に必要な資金

駐車場の運営には様々な方法があるのがわかっていただけたかと思います。

駐車場経営を考えている方の中には、土地は所有しておらず、資金だけがある方もいるでしょう。余剰資金を運用する方法の一つとして、駐車場経営を考える場合もあると思います。

土地なしの場合、駐車場の運営にはどれくらいの資金が必要なのでしょうか?

まず、駐車場経営には土地が必要ですから、当然ながら土地の購入代金がかかります。土地の価格は、場所や大きさによって違います。そのため、一概にいくらくらいかかるとは言えません。

また、5台から10台程度の平面駐車場の運営を始めるには、土地代に加えて、初期費用が200万円~500万円程度かかると言われています。駐車できる台数を増やせば、初期費用はさらにかかります。

土地代も含めると、5~10台程度で1000万円程度、20台以上で5000万円程度かかると考えておいたほうが良いでしょう。もちろん、実際にはもっと安く済ませることも出来ますし、高くなる場合もあると思います。

駐車場経営するには、具体的に、何に、どれくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。

土地代

まず駐車場経営するには、土地代がかかります。土地代は場所や大きさによってかなりの差があります。当然のことながら、駅に近かったり、利用者が多いと土地は価格が高いことが多いです。

また地方の土地や、人通りの少ない場所にある土地は安いことが多いですが、利用者も少ないため、利益が上がらない可能性も高いです。

土地が広ければ広いほど、駐車できる台数も増えるため利益も期待できますが、その分、土地購入にかかる費用は高くなります。

しかし、2台程度の駐車スペースの無い狭い土地を購入して、小さな駐車場を経営し、上手に利益を上げている人もいます。

駐車場の経営は、借りてくれる人がいれば儲かる仕組みですから、どんな場所でも、大きさでも、利用者がいれば良いということになります。

数百万円程度で購入できる小さな土地でも、条件がよければ、利益を上げる事が出来ます。

後で詳しく述べますが、なるべく安くて、利用者の多い土地をリサーチして購入することが大切です。

舗装

駐車場を運営するには、舗装も必要です。

借りる側からみれば、綺麗に舗装されている駐車場のほうが印象が良く、借りたくなるものだとおもいます。

しかし、綺麗に舗装すればするほど、初期費用はかさみます。

舗装の種類は以下の3種類です。

未舗装のロープ区画

舗装しないで、ロープで区画わけしただけのタイプです。

舗装しないといっても、空き地のような雑草だらけの土地を駐車場にするわけにはいかないので、砕石を敷きます。

この費用の目安は3,000円/㎡程度ですが、業者によって差はあります。

区画わけには黒と黄色の区画用ロープを使います。ロープは安価に手に入るため、40円/平方メートル程度で済むでしょう。

アスファルト舗装

アスファルト舗装は、重機を使って土地を整備したうえに砕石を引き、その上にアスファルトをひきます。

さらに区画ラインを引きます。こちらは工事が必要で、5,000円/㎡程度かかります。

コンクリート舗装

コンクリート舗装は、重機を使って土地を整備したうえに砕石を引き、さらに鉄筋を入れた上に、コンクリートを流します。

さらに区画ラインを引きます。工事には8,000円/㎡程度かかります。

工事にかかる費用は土地の大きさによって変わってきます。

大規模になればなるほど、利益も望めますが、初期費用もかかるということになります。

税金

駐車場経営で利益を得た場合には、その利益に所得税などの税金がかかります。

また、駐車場を運営するための土地をもっているだけで固定資産税がかかります。

固定資産税

駐車場の土地も例外なく固定資産税がかかりますが、駐車場の場合は、自用地とされるので注意が必要です。

住宅用の土地の場合は宅地用地とみなされ、固定資産税の軽減措置が受けられますが、駐車場は自用地とみなされるため軽減措置は適用されません。

駐車場経営から利益があがっていれば問題ないのですが、初期費用を投資して利益も出ず、さらに固定資産税の軽減措置も受けられないとなると、土地を遊ばせておくよりも損をしてしまう可能性が出てきます。

余剰の土地を使って資産を増やそうと考えている人は、固定資産税についてもしっかりと計算しておきましょう。

都市計画税

駐車場用の土地には都市計画税も課税されます。

都市計画税も、自用地の場合は固定資産税と同様、軽減措置が適用されませんので、注意しましょう。

事業税・所得税・住民税

駐車場経営も規模によっては事業税がかかる場合があります。また、所得税・住民税の扱いは、駐車場の規模によって変わってきます。

・事業税

50台以上の駐車スペースがあるか、立体駐車場のように建物がある場合には、事業的規模であるとみなされ、事業税が課税されます。

個人であっても、大規模な駐車場経営をしている場合は事業税がかかる場合があります。

・所得税

駐車場経営で得た利益には所得税がかかります。所得税の税率は以下のとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

(国税庁ホームページより引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

50台以上の駐車スペースがあるか、立体駐車場のように建物がある場合など、事業的規模であると認められた場合には、青色申告が可能になり、65万円までの所得税特別控除が認められます。

5台~10台程度の小規模な経営の場合には、不動産所得とみなされます。この場合も10万円までは、控除が認められます。

しかし、駐車場経営の場合はほとんど経費がかからないため、所得のほとんどに所得税が課税されると考えておいたほうが良いかもしれません。

なお、サラリーマンが駐車場経営を行っている場合は、経費を差し引いた駐車場経営の所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要になります。申告漏れのないよう気をつけましょう。

・住民税

駐車場経営によって利益があった場合は、所得が増えたことになりますので、所得に応じた分の住民税が課税されることになります。

管理委託料

管理会社に駐車場の管理を委託する場合は、管理委託料がかかります。管理委託料は管理会社によっても変わってきますが、利益の3~6%程度が相場です。

当然ですが、個人経営の場合や一括借り上げ方式の場合には、管理委託料はかかりません。

資金ゼロで駐車場経営する方法

遺産相続などで余剰の土地はあるものの、駐車場経営を始めるための資金の無い人もいると思います。そのような人でも、駐車場経営する方法はあります。

駐車場経営サービスに土地を貸す(一括借り上げ方式)

前述しましたが、資金ゼロで土地だけ持っている人が、駐車場経営を始める一番簡単な方法は、駐車場経営サービス会社に土地を貸すことです。

これを、一括借り上げ方式と呼びます。

この方法は、土地を毎月、駐車場経営業者に貸し出し、賃料を貰う方法です。大きく儲けることにはならないかもしれませんが、リスクを負わず確実に利益を上げることが出来ます。

いくら低予算でできるとはいっても、アスファルト舗装などの初期投資をすれば、数百万円の費用がかかってしまいます。

また、素人には集客のノウハウもありません。そのため、自分の力だけで、安定した経営をすることは、なかなか難しいのではないでしょうか。

駐車場経営も場所によっては生き残り競争が激しく、ライバルが現れて潰されるケースもあるようです。個人の力で生き残っていくことが難しい場合もあります。

素人はノウハウをもったプロに経営をお任せするのも良いのではないかと思います。

駐車場経営のリスク

駐車場経営は、簡単に出来て、低予算から始められるなどメリットがたくさんあります。

しかし、いくつかのリスクもあります。

固定資産税

前述しましたが、駐車場経営をするということは土地を所有するということでもあります。土地を所有するだけで固定資産税がかかります。

しかも、駐車場の土地は自用地とみなされるため、減税措置が適用されません。

新たに駐車場用の土地を購入するばあいもそうですが、住宅用の土地を駐車場にする場合にも固定資産税が高くなる可能性がありますので注意が必要です。

利用者がないと利益が出ない

当然ですが、駐車場は利用者がいないと利益が出ません。駐車スペースを必要とする人が頻繁に行き来する場所に土地を持っていれば良いのですが、そうでない場合は利益を出すのが難しいかもしれません。

土地購入の際には、駐車場として利益が見込める土地なのか、しっかりとしたリサーチが必要になります。

借入れすると利息がかかる

土地を現金で一括購入できない場合はローンを組んで土地を購入することになると思いますが、その場合は利息がかかります。利息もバカになりません。

駐車場経営をやめても土地が売れない

駐車場に適した土地は駐車場にしか使えないような土地である場合もあります。住宅用にしては面積が狭かったり、土地の形が宅地にふさわしくなかったりする場合があるからです。

そのため、駐車場経営を辞めて土地を手放そうと思って、良い値段で売れない、ということも考えられます。

税制上優遇されない

駐車場の土地は固定資産税や相続税の評価は、更地として評価されます。そのため、減税措置が受けられません。

地域によっては宅地の6倍の税率になるところもあります。

また、駐車場には建物がないため、減価償却費が適用されません。

アスファルトやコンクリート舗装にすれば、建築物とみなされ減価償却費が適用されますが、舗装無しの場合は、減価償却費は適用されません。

短期間の利益が少ない

たとえば一ヶ月10000円の月極め駐車場を運営し、5人に貸し出した場合、毎月の売り上げは5万円です。

年間で60万円の売り上げということになりますが、舗装や土地代に数百万の資金を使ったとしたら、利益を上げるのに数年かかる計算になります。

黒字になる前に経営をやめてしまったら赤字になってしまいます。

規模にもよりますが、駐車場経営は短期間に大きく儲かるビジネスではない、ということになります。気長に経営する必要があります。

駐車場経営で成功する秘訣

リスクもある駐車場経営ですが、どういったことに気をつければ成功できるのでしょう?

駐車場経営で個人が成功する秘訣①:リサーチをしっかりする

土地を購入する場合は、事前リサーチをしっかり行いましょう。特に人の動線をリサーチすることが重要になります。

  • 近くに人気店がある場所
  • 近くに住宅街がある場所
  • 駅にちかい場所
  • 配送業者の利用が多い場所

などが狙い目です。

近くに人気店があれば、人通りは多くなります。

そのような場所でコインパーキングを経営すれば、駐車スペースが無くて困っている人が利用しますので利益が見込めます。

また、最近はネット通販を利用する人が増えたため配送業者の仕事も増えています。

路上駐車をして問題になることを懸念して、駐車場を利用する運送業者も増えているようです。そのため、住宅街の中に駐車場があれは、配送業者が利用する可能性もあります。

駐車場経営で個人が成功する秘訣②:安い土地を購入する

利益を上げるには、初期投資を低く抑えることが大切です。なるべく安い資金で土地を購入しましょう。

  • 市街化調整区域内
  • 安い小さな土地

などもおすすめです。

市街化調整区域内は、都市化を規制するために建物の建設をしてはいけないと定められた土地のことです。

市街化調整区域は価格が安いことが特徴です。

購入する場合は、利用者がいるかどうか、徹底的に調査してみましょう。

駐車場経営で個人が成功する秘訣③:リスク管理をしっかりと

個人が駐車場経営をする際に必要なのは、徹底したリスク管理です。

例えば、月極めであれば一ヶ月1万円、コインパーキングであれば10分300円などの使用料に、利用者の人数をかけた金額がそのまま利益になりそうな気がしてしまいますが、実際には初期費用の資金もかかりますし、税金もかかります。

また、始めた当初は上手くいっていたのに、もっと安い駐車場が近くに出来たり、近くにあったお店がなくなって利用者が激減するなど、予測できない事態が起きることもあります。

駐車場経営をスタートさせるときはリスクもしっかり考えよう

個人で駐車場経営を始めるには、土地以外に数百万円の資金が必要になる場合もあります。

土地はあるけれど、資金の無いという人は、一括借り上げ方式で駐車場経営会社に土地を貸し出すことで、資金ゼロから駐車場経営を始めることも出来ます。

余剰の土地を持っている人は、駐車場経営会社を利用してみるのも一つの方法かもしれません。

しかし、所有している土地を駐車場として利用することで、減税措置が受けられなくなるなどのデメリットもでてきます。

遊んでいる土地を、駐車場経営で有効活用しようと考えている人や、これから駐車場経営を始めようと考えている人には、不動産経営をすることで、どういうリスクが考えられるのか、また、資金がどれくらい必要なのかを良く考え、しっかりとシュミレーションしてから始めることをおすすめいたします。

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