日本の不動産投資の利回りが下がりつつある現在、海外不動産投資が注目を集めているようです。
海外不動産投資の利回りはどれくらいでしょうか?
メリットやデメリットは何でしょう?
海外不動産投資の始め方と人気の国をご紹介いたします。
記事の目次
海外不動産投資が注目を集めている理由
大切な資産を上手に運用する方法として、様々な投資方法がありますが、最近は海外不動産投資の注目が高まっているようです。
日本は少子高齢化の影響で人口は減少しつつあるうえ、不動産市場は成熟を迎え、不動産投資の利回りは下がりつつあります。
そこで、まだまだこれから、経済発展し、人口増加の可能性がある、新興国などの海外の不動産投資に目を向ける人もいるようです。
海外不動産投資のメリットやデメリットについて、詳しく見ていくことにしましょう。
海外不動産投資のメリット
まずは、海外不動産投資のメリットから見ていきましょう。
利回り
海外不動産投資のメリットは、何と言っても、利回りの良さです。
日本不動産研究所の第38回不動産投資家調査によると、日本の2018年現在の不動産投資の利回りは、東京丸の内や大手町のオフィスビルで3.5%程度です。
1999年には、6.0&程度あった利回りが、2018年4月には、3.5%にまで下がっています。
また、ワンルームタイプの賃貸住宅の場合は、2018年の段階で利回りが4.5%です。
これに対して、海外の不動産投資の利回りは、
- インドネシア:約8%
- フィリピン:約6%
- カンボジア:約5%
- タイ:約5%
と、日本に比べると、高い利回りで運用できます。
国によっては、利回りが低い国もありますが、新興国などに投資することで、高い利回りで運用できるということで、海外不動産の人気が高まっているようです。
売却益
高い売却益を見込めることからも、海外不動産投資の人気が高まっています。
売却益とは、不動産を売却したときにでる利益のことです。
新興国はこれから国が成長することが見込めますが、国が経済的に成長すると、不動産価値も上がります。
新興国の不動産を今のうちに安い価格で購入しておけば、今後、不動産の価値があがり、数年後には、高い値段で売ることが出来るかもしれません。
安く買って高く売ることで、利益をあげられる可能性があるということから、海外不動産投資を選択する人もいます。
利回りだけでなく、売却益も期待できることが、海外不動産投資のメリットです。
分散投資できる
日本の不動産だけでなく、いろんな国の不動産に投資したほうが、リスクを減らすことが出来ます。
一つの通貨や、一つの国の不動産だけに投資していると、その通貨やその国に何かがあったときに、大きなダメージを受けることもあります。
しかし、複数の国の不動産や通貨に投資することで、リスクを減らすことができます。
今後、日本の不動産や通貨の価値が下がったときに、他の国の不動産や通貨を持っていて、その不動産や通過の価値が下がっていなければ、資産全ての価値が下がらずに済みます。
利回りが良い以外にも、このように、いくつかのところに、分けて投資しておく方法を、分散投資といいますが、分散投資をするために、海外不動産投資をする人もいるのです。
少額からでも投資できる
新興国など、日本よりも不動産価格の安い国の不動産の中には、安価で購入できるものもあります。
そのため、手持ちのお金が少なくても投資ができます。利回りがよければ、小額で儲けを出す事ができます。
日本の不動産を買うのが難しい人も、海外の安い不動産なら手軽に始められる事から、海外不動産投資を選ぶ人もいます。
節税になる
海外不動産投資だけでなく、不動産投資全体にいえることですが、不動産を購入したときには建物の購入価格を減価償却として計上することができます。
減価償却とは、建物の種類によって決まっている耐用年数に応じて、毎年少しずつ、建物の購入代金を払った事にして、経費として計上することをいいます。
減価償却を使えば、毎年経費がかかっている事にでき、その分、税金を抑えられます。
節税対策にもなることから、海外不動産投資を始める人もいるようです。
海外不動産投資のデメリット
海外不動産のデメリットはなんでしょうか?
融資を受けにくい
海外不動産投資のデメリットの一つに、融資を受けにくい、というものがあります。
不動産を買う場合には、金融機関から住宅ローンなどの融資を受けることが出来るのが普通ですが、これは日本国内の不動産を購入する場合に限った話です。
海外不動産投資のためにお金を貸してくれる金融機関は少ないです。
海外不動産投資用の資金を貸してくれる金融機関もあるにはありますが、借りられる金額の上限が決まっていたり、自己資本比率がある程度なければいけなかったり、など、条件が付く場合があります。
また、海外の現地の金融機関でお金を借りるという方法もありますが、その場合は、金利が高いなどのデメリットがある場合があります。利回りが良くても、高金利のローンを組んでしまえば、かえって損をするかもしれません。
資金繰りが難しいことが、海外不動産投資のデメリットです。
情報収集しにくい
日本国内の不動産であれば、不動産会社やオーナーさんから直接情報を得ることも出来ますし、自分の足で下見に行く事も可能です。
しかし、海外の不動産の場合はそうは行きません。現地まで頻繁に行く事は難しいですし、言葉の通じない国だってあるでしょう。
また、住みなれた日本と違い、土地勘があまりない国の場合は、どのような雰囲気の不動産なのか、全く想像も付かない事も多いでしょう。
利回りが良くても、物件の情報が得にくいところが、海外不動産投資のデメリットです。
為替変動リスク
海外の不動産を売買するときは、現地の通貨を使うことになります。
日本国内の不動産であれば、ほとんどが円でやり取りしますから、為替変動については気にしなくてもかまいません。
しかし、海外不動産の場合はそうは行きません。いくらお得な価格で不動産を購入できたとしても、為替が大きく変動してしまったら、損をしてしまうかもしれないのです。
為替変動のおかげで、運よく得をすることもありますが、損をすることもあります。利回りが良くても、為替変動のため、資産が目減りしてしまってはかえって損をしてしまいます。
不動産価格だけでなく、為替変動のリスクも気にしなければいけないことが、海外不動産投資のデメリットでもあります。
その国独特の決まりやリスク
海外不動産投資をする際には、その国独特のカントリーリスクというものも気にしなければいけません。
例えば、その国には、その国独自の法律や、税金のしくみなどがあり、日本とは勝手が違う事があります。
特に新興国の場合は、情勢が不安定なこともあり、ルールがすぐに変わることもあるようです。
また、戦争や動乱に巻き込まれたり、日本では考えられないような法的なトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
海外では、日本の常識は通じないこともあります。
その国独特の事情が絡んでくるため、何が起こるかわからないのも、海外不動産投資のデメリットの一つです。利回りだけでなく、カントリーリスクも考慮して投資先を選びましょう。
海外不動産投資で人気の国
海外不動産投資をする際に、人気の国はどこでしょう?いくつかの国をご紹介します。
フィリピン
フィリピンは、成長率が7%もあり、現在成長している途中の国です。
人口も年々増加しているため、今後も不動産価格が上がっていく可能性があるということで、不動産投資先としては人気の高い国です。
フィリピンでは海外の投資家でも、コンドミニアムを購入する事が出来ます。
また、現地の金融機関で外国人が住宅ローンを組む事も出来るため、資金繰りの問題もクリアできます。
取引に必要な文書が英語で書かれていることから、日本人であっても、契約がスムーズに行えるでしょう。
フィリピンの不動産の利回りは6.1%です。コンドミニアムもの価格も、日本の都市に比べると随分安く購入できます。
マレーシア
マレーシアは、現在、急成長中の国です。経済成長率は6%もあり、今後の不動産価格の上昇にも期待できることから、海外不動産投資先として人気の高い国です。
経済成長とともに、人口も増加し続けていますから、住宅を必要とする人も今後増え続けていくのではないかといわれています。
また、マレーシアは、日本に比べて物価が安いので、不動産も安く購入する事ができます。
不動産価格の高い街もありますが、一部では、500万円~600万円台で不動産が手に入る街もあるようです。
ラオス
ラオスは人口が690万人程度しかいない、小さな国です。
国の様子は昭和の日本を彷彿とさせるものがあり、まだまだこれから、経済的にも発展するだろうといわれています。
ラオスの土地は、全て国有ですから、国民は土地を買うことが出来ません。しかし、国民は土地の利用権を国から借りることができます。
現在は、日本人はラオスの土地を買うことは出来ませんが、政府から土地を借りて、その土地に建物を建てて、人に貸すという方法を取れば、海外不動産投資が出来ます。
カンボジア
カンボジアの不動産は、1000万円台でも購入でき、利回りは6%程度で運用できることから、海外不動産投資先として、魅力的だといわれているようです。
また、カンボジアでは、米ドルが使われています。米ドルが使えるので安心して取引できることがメリットです。
カンボジアは経済成長率も高く、国民の平均年齢も若いですから、これからどんどん伸びていく国と言えるでしょう。
カンボジアのコンドミニアムの投資も人気が高い投資です。
シンガポール
シンガポールはアジアの国の中でも、治安が良いところがメリットです。
そのため、海外不動産投資をする人にも人気の高い国です。
賃貸物件を買いたいという人も多いそうです。
しかし、シンガポールの不動産の価格は現在、上がってきており、日本の不動産よりも高い物件もあるそうです。
また、シンガポールの印紙税はとても高いため、うっかりすると、沢山の税金をとられるこというデメリットがあるようです。
シンガポールは治安のよさが魅力ですが、不動産投資するときは税金のことなども、しっかり考えてみたほうが良いかもしれません。
タイ
タイは、現在も成長中の国です。
人口も、年々増えつつあります。リゾート地としても有名ですが、今後の経済発展に期待できることから、海外不動産投資先としても、注目されている国です。
タイは、税金なども日本に比べると安いですし、外国人に対しての不動産購時に最低価格基準を設けていませんから、わずかな金額からでも投資が出来るというメリットがあります。
不動産登記の制度が整っているため、ある程度安心して取引が出来ます。
安く物件を手に入れて、経済発展とともに不動産価値が上がれば、利益が出るということで、タイの不動産に注目している人も多いようです。
ただし、外国人はコンドミニアム以外の物件は購入できないのがデメリットです。
ハワイ
ハワイは、リゾート地としても人気が高いですが、不動産投資先としても注目されています。
リゾートとしても楽しめるというメリットもありますから、投資のためだけでなく、楽しみのために買う人もたくさんいます。
ハワイは、新興国と違って、これからの成長率にはそれほど期待できませんが、比較的安全に不動産運用をできる国です。
アメリカ
アメリカは先進国ですが、毎年、人口は増え続けています。また、まだまだ経済成長もし続けている国です。
物件の価格が高いので、コストがかかるなどのデメリットもありますが、今後の、不動産価格上昇にも期待が出来そうです。
海外不動産投資の始め方
実際に海外不動産投資を始めるときには、どのようなことをすれば良いのでしょうか?
場所選び
まずは、どの国の不動産を購入するか決めましょう。
投資してみたい国があっても、実際に投資できるとは限りません。
なぜなら、外国人が土地を購入できる国とそうでない国があるからです。
外国人が不動産を購入できる国かどうか調べてから、投資する国を決めましょう。
また、海外不動産投資をする国を決めるときは、これから発展しそうな国か、税金は高すぎないか、治安の問題はないか、人口は増加しているか、インフラの整備はされているかなど、その国の事情も調べておきましょう。
アジアなどの、新興国は物件が安く手に入ることも多く、また、今後の経済発展が期待できることから大きく儲かる可能性がありますが、しかし、国の安定性が低いことも多く、ハイリスクな投資になります。
先進国への投資は、リスクは低く抑えられますが、しかし、不動産価格が高く、コストも高くなることがあります。
利回りだけでなく、リスクやコストも考慮する必要があります。
リスクなどを、しっかり勉強してから、海外不動産投資を始めましょう。
購入手続き
海外不動産投資をするには、いくつかの方法があります。
日本国内の不動産会社を通じて海外不動産投資をする
まずは、日本国内の不動産会社を通じて、海外不動産投資をする方法です。
不動産会社でセミナーや説明会を開催していますので、そういったものに参加してみると良いでしょう。
プロから直接教わり、メリットやデメリットを知ることで、勉強にもなります。
どの会社を選ぶのかは、数社比較して、検討してみてから決めてもよいかもしれません。
現地の不動産会社を通じて海外不動産投資をする
直接現地に出向き、現地の不動産会社を通じて海外不動産投資をする方法もあります。
その国に何度も行った事があり、現地の言葉の通じる人なら、この方法でも問題ないかもしれません。
現地の不動産会社は、日本の不動産会社に比べて、不動産に関しての情報をたくさんもっているのが、メリットです。
しかし、現地の言葉が理解できない人や、風習や法律の違いが心配な人、慣れない人の場合は、現地の不動産会社とやり取りするのは、困難を極めるかもしれません。
海外の不動産会社と契約する場合は、言葉の壁などがデメリットになります。
海外不動産投資について勉強してみませんか?
海外不動産投資は、分散投資が出来る事や、高い利回りで効率よく運用できるなどのメリットもありますが、必要な情報が手に入らないことや、為替リスクがあること、風習や法律が違うため思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるなどのデメリットもあります。
投資の方法には、いろいろなものがありますが、海外不動産投資も視野に入れてみるのも良いかもしれません。
海外不動産投資を取り扱っている、日本国内の不動産会社もありますから、気になる人は、まずはセミナーなどに参加してみてはいかがでしょう。