マンション投資は安定収入を見込める不動産投資です。
投資用と言っても、ワンルームもあれば、1棟アパート、学生用マンションなど不動産にもいろいろな種類があります。
でも様々な理由から売却されるケースがあります。
今回は投資用にマンションを所有している方で、今そのマンションの売却を検討している方のための情報です。
投資用マンションを売却するタイミングとその具体的な方法についてまとめてみました。
売却時にかかる税金や費用などについても触れていきます。
記事の目次
投資用マンションの売却
居住用マンションを売るときは、周辺相場や取引事例をもとに不動産会社が物件を実際に見て査定します。
投資用マンションの場合は違います。
利回りを想定し売却価格を計算します。
計算式から投資物件として適正な売却価格を導き出すことができます。
空室の投資用マンションの売却査定
投資用マンションに係る利回りには、
- 表面利回り
- 実質利回り
- 想定利回り
の三種類があります。
空室の投資用マンションでは、家賃が確定していません。
そこで家賃も想定家賃、利回りも想定利回りを使って売却価格を考えます。
・売却価格=(想定年間家賃収入)-(年間のランニングコスト)÷想定利回り
家賃は周辺相場をもとに想定することができます。
想定利回りは、高ければ高いほどリターンが多くなります。
ただ、高くすると売却価格が高くなり売りづらくなります。
買う人の立場になれば、高いと借り手を探すのが難しくなり、空室になるリスクも高くなるので、敬遠されてしまいます。
マンション投資が盛んな東京23区内では想定利回りが4~5%と言われています。
銀行に預けても金利が1%にも満たない昨今ですから、5%あれば十分なリターンと考えられます。
オーナーチェンジの売却
すでに入居者がいる「賃貸中」のまま売却されるケースも多いです。
このような場合、入居者はそのまま住み続け、オーナーだけが変わることになります。そのためオーナーチェンジと呼ばれます。
新しいオーナーに現在の家賃は引き継がれますから、確実な数字を知ることができます。
想定利回りを5%だと想定しましょう。
・売却価格=(年間家賃収入)-(年間のランニングコスト)÷0.05
その物件が月額家賃6万円で賃貸中と仮定しましょう。年間の家賃収入は72万円ですが、管理や固定資産税などのランニングコストを差し引くと実質の年間収入が576,000円となります。
576,000÷0.05=1152万円ですから、物件価格は1152万円が査定価格となります。
1152万円投資して、5%の576,000円のリターンがある訳です。売却価格1152万円なら、利回り5%のオーナーチェンジ物件として売り出すことができます。
ただ売主にとって、当初の取得価格が1152万円以下だったら良いのですが、それ以下だと赤字で売却することになります。
投資用マンション売却のタイミング
売却を考えるタイミングはいくつかあります。再開発等で地価が上昇し、物件が高く売れる見込みがある場合です。売却益が期待できます。
ただ、一般的に不動産価格は毎年少しずつ下落します。
マンション価格も購入時のほうが高く、売却時は安いのが当たり前です。
取得時より高く売れたというのは、レアケースと思っていたほうが良いと思います。
税金面を考えたとき、5年経過した直後が最初のお勧めの売却タイミングとなります。
と言うのも、売却益が発生したときにかかる税率が、5年目を区切りに違ってくるからです。
所有期間が5年未満だと短期譲渡となり、高い税率になります。
5年以上は長期に保有したので、税率は短期の半分になります。
築年数が経過して古くなってくると、法定耐用年数というハードルも出てきます。
鉄筋コンクリート製のマンションの場合、法定耐用年数は47年です。
部屋の中はリフォームで生まれ変わりますが、建物の老朽化は避けられません。
これを過ぎると減価償却の対象にならないため、
- 税制面で優遇されない
- 融資が受けにくい
- 寿命を迎えたマンションという負のイメージで売りづらい
など、いろいろと懸念材料が増えます。
そのため耐用年数を迎える前というのが、売却のタイミングの候補となるでしょう。
投資用マンションの売却方法
売却方法は、居住用マンションでも投資用マンションでも大きく変わりません。不動産会社に仲介を依頼し、売却します。
投資用マンションに強い不動産会社もありますし、そうした会社を集めた「不動産投資ポータルサイト」もあります。
こうしたサイトを活用して情報収集すると役に立つでしょう。
投資用マンションの場合、情報として最も大切なのは、その物件の収益性です。
もともと投資用物件の場合、オーナーは自分が住む訳ではありません。
特にオーナーチェンジの場合は、部屋の中を見ないまま、図面と外観で判断することになります。
こうした投資用マンション特有の事情を頭に入れておきましょう。
売却に向けては、査定してもらうこと、最新の動向などの情報収集が重要です。
候補の不動産会社をいくつかピックアップしたら、まずは査定を依頼しましょう。
査定してもらうときには、ぜひどんな売却活動をしてもらえるのか質問してみましょう。
いくつかの会社に査定を頼んで、信頼できる会社に売却を依頼します。
売却活動を頼むのは1社だけに絞ることもできるし、複数社に依頼することができます。
投資用マンションの売却にかかる税金
投資用のマンションを売却した際にかかる税金として、まずは印紙税があります。
そして、買った値段よりも高く売れたときは、不動産の譲渡により得た所得に対して税金がかかります。
印紙税
これは売買契約書に貼る収入印紙の代金です。
500万から1000万円が5000円、1000万から5000万円までが10,000円の印紙になります。
譲渡所得
当初購入した価格よりも高い値段で売れるとうれしいのですが、先に触れたように売却益が出るとそれに対して税金がかかります。
5年以下の短期譲渡の場合は、税率は39%です。利益の約4割を税金として納めることになります。
5年を越えると長期譲渡となり、税率は20%になります。
仮に3000万円で購入したマンションが4000万円で売れた場合、利益は1000万円です。
5年以内なら390万円、5年以上なら200万円を納めます。
なお、マンションが高く売れて利益が出ると多額の税金を払わなくてはいけないようですが、これは投資用だからです。
居住用には特例があります。所有者本人が居住していたマンションを売却して場合には、利益が3000万円以内なら課税されません。
売却にかかる費用
買い手を見つけるためには不動産会社の仲介力が必要です。
売却にかかわる大きな費用として、不動産会社に支払う仲介手数料があります。
手数料は、成功報酬となります。報酬額は、物件価格の3%+6万円が一般的です。
1000万円の物件なら36万円、2000万円なら66万円を買い手を紹介してくれた不動産会社に支払います。
それ以外の費用としては、融資を受けてローンを組んでいた場合など、不動産登記の「抵当権抹消登記」の費用が3万円程度かかります。
投資用マンションの売却は、居住用のマンションの売却と違う点がいくつかありました。
特に売却価格の決め方を家賃と利回りをもとに計算するあたり、投資用だなと実感します。
居住用のマンションの価格は年数の経過とともに下がっていくものですが、投資用マンションの場合は、少し違います。
家賃は建物の築年数に左右されません。古さを理由に家賃が大きく下がることはありません。
建物の老朽化が進むまでは、家賃を維持できます。
まとめ
安定収入が見込める投資用マンションですが、築年数と保有年数などを考えながら、売却のベストのタイミングを探ってみてはいかがでしょうか?