日本銀行が発表したマイナス金利政策の導入により、今銀行からお金を借りた時の金利が大幅に下がりました。
その影響で新しく住宅ローンを組んで家を建てようと考える人、ローンを組み直せば今組んでいる住宅ローンの返済額を減らせるんじゃないかと考える人は多いと思います。
特に今住宅ローンを組んでいる人にとっては今後の返済額が減らせるビッグチャンスなのではないでしょうか。
しかし住宅ローンの乗り換えとなりますと、そう簡単にできることではありません。
またいいことばかりが目に付きますが、
- 知っておかないと後に後悔することもあるのでは?
- 実際に乗り換える時に注意する点は?
といろいろ不安はありますよね。
ここでは住宅ローンの乗り換えについて、注意点とメリット・デメリットを解説していきます。
住宅ローンの乗り換えを検討する
住宅ローンの乗り換えを検討する目安になるポイントが3つあります。
- 現在の金利と乗り換え後の金利差が1%以上ある
- 住宅ローンの返済残高が1,000万円以上ある
- 残りの返済期間が10年以上ある
この3つが住宅ローンの乗り換えを検討する際の目安になります。
住宅ローンの乗り換えには諸費用がかかりますので、それを合わせて計算すると、この条件を満たしていない場合は住宅ローンの乗り換えをしても得にならない可能性もあります。
住宅ローン借り換えシュミレーションを利用する
現在は大手銀行、地方銀行の他にインターネットバンキングも多数あります。
そんな中でどの銀行に乗り換えるのが1番お得になるのか簡単に調べられる方法が、ネットの借り換えシュミレーションです。
乗り換えを決めて銀行にいきなり行くのではなく、まず一括シュミレーションを利用してどこの銀行にするか検討しましょう。
住宅ローンの乗り換えの流れ
乗り換えを決めてから乗り換え完了までどのような流れで進んでいくのか知っておきましょう。
住宅ローンの内容を比較する
乗り換え先候補の銀行をおいくつか挙げてそれぞれで比較しましょう。
固定金利なのか変動金利なのか、銀行毎で金利も違いますので今の住宅ローン内容と比較しましょう。
乗り換え先銀行を決める
比較した結果を参考に住宅ローンの、乗り換え先を決定します。
ここで注意することは、変動金利に変えた場合です。
変動金利で契約した方が金利が低いですが、この先金利が高くなるリスクがあることを頭に入れておきましょう。
乗り換え先の銀行へ住宅ローンの申し込みをする
住宅ローンの仮審査、本審査に通ったら申し込みに入ります。
現在住宅ローンを組んでいる銀行へ
ここで今の住宅ローンを一括返済する手続きをします。
完済申込書を提出し、受理されると一括返済用の口座が通知されます。
乗り換えの実行日を決める
現在住宅ローンを組んでいる銀行と相談してお互いに都合の良い日を決定します。
日にちを決める際には余裕の持てる日にちを選びましょう。
乗り換え先の銀行と住宅ローンの契約締結へ
乗り換えの実行日を決めたから、当日に銀行と住宅ローンの契約締結を行います。
現在の借入先へ一括返済
新しく契約が締結されると融資を受けられます。
口座へ入金されたらその日のうちに、現在の借入先から指定された一括返済用の口座へ入金します。入金完了で住宅ローンの返済が完了になります。
抵当権抹消の書類
口座への入金が完了し銀行がローンの返済完了を確認すると、現在の借入先から抵当権抹消の書類を渡されます。
この書類を持って乗り換え先の銀行へ行きます。
新しく抵当権を登録する
銀行指定の司法書士が現在借入先の抵当権の抹消手続きをし、新しい乗り換え先の抵当権設定登録手続きをします。
住宅ローンの乗り換え完了
これで住宅ローンの乗り換えが完了します。
これでお分かりになるかと思いますが、乗り換えには様々な手続きが必要になります。
乗り換えにかかる費用
住宅ローンを初めて組んだ時に諸費用を払いましたが、乗り換えの時にも諸費用は必要になります。
いくらくらいになるのか解説していきます。
住宅ローンの乗り換えに必要な手数料
事務手数料
定額制と定率制の2種類がある。乗り換えにかかる基本となる手数料。
借り入れ金額によって金額が変わります。
抵当権設定費用
抵当権の設定には登録免許税という税金がかかります。
税率は借り入れ金額に対して0.4%になります。
印紙税
住宅ローンを組む際の契約書にかかる税金になります。
行政書士費用
抵当権の設定等の借り換えに必要な手続きは行政書士に依頼します。
これは抵当権設定費用に含まれている場合もあります。
保証料
保証料は金融機関によって設定していない所もある。
もし保証料を支払う場合には数十万円程度を保証会社に支払います。
全額繰上げ返済手数料
乗り換え前に借りていた住宅ローンを一括返済する際に発生する手数料になります。
この手数料は有料の場合と無料の場合があります。
手数料一覧
上記で紹介した乗り換えに必要な手数料をまとめました。
手数料内容 | 金 額 |
---|---|
事務手数料 | 10万円~数十万円 |
抵当権設定料 | 数万円 |
印紙税 | 1万円~6万円 |
行政書士費用 | 3万円~10万円(抵当権設定料に含まれている場合もある) |
保証料 | 無料~数十万円 |
全額繰上げ返済手数料 | 無料~数万円 |
このように乗り換えにかかる諸費用だけでも結構な金額がかかります。
住宅ローンを乗り換える際の注意点
ここからは住宅ローンを乗り換える時に注意しておきたいポイントを解説します。
諸費用
住宅ローンの乗り換えにかかる諸費用は数十万円にもなります。
これは金融機関によって異なりますので、できるだけ諸費用が安い金融機関を選びたいです。
諸費用を含めて乗り換えを検討してください。
金利形態の変更
特に気をつけないといけないのが、固定金利から変動金利へ変更する方は借りる時の金利が安くなるかもしれませんが、その後金利が高くなるリスクも考慮しておきましょう。
保証料
住宅ローンを最初に借りた時に支払った保証料は一括返済をしたとしても全額が戻ってくる事はありません。
ローンを組んでから5年で50%、10年で30%程しか戻ってくることはありません。
ここまでが乗り換えの際の注意しておきたいポイントになります。
乗り換えのメリット・デメリット
ここからは住宅ローンを乗り換えた時のメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
住宅ローンの返済額を減らせる
住宅ローンの乗り換えの1番のメリットはこれです。
現在金利の低い状態で乗り換えをすることによってローンの返済額が数百万円減らせる可能性があります。
しかしメリットを得るのには条件がありますので、ご自分の現在のローン残高や返済期間を考慮して乗り換えのメリットを得られそうなら乗り換えをオススメします。
金利形態の変更ができる
住宅ローンを乗り換えるのですからもちろん金利形態も変更できます。
金利が低くなったので、乗り換え時に固定金利に変更して低い金利のままローン返済をしていくことも可能ですし、固定金利から金利の低い変動金利への変更も可能です。
団信、特典目当てで乗り換える
ネットバンクなども沢山できて各金融機関でさまざまな団信の内容やローンを組んだ時の特典がついてきます。
要介護になったら住宅ローンの返済が免除されたり、買い物がお得になったりと各金融機関ごとメリットを用意しています。
デメリット
住宅ローンの乗り換え時に再び諸費用がかかる
数十万円以上にもなる諸費用を乗り換え時に再び支払わなくてはなりません。
なので乗り換えを検討する際には諸費用がかかることを踏まえて乗り換えた方がお得になるのかどうか検討しましょう。
諸費用を安く抑えたい場合にはネット銀行がオススメです。
金利形態の変更に注意
固定金利よりも変動金利の方が金利が低いからといって、乗り換え時に変動金利に変える場合は要注意です。
今は金利が低い時代ですが、いつ金利が高くなるか分かりません。金利が高くならなければ固定金利よりも数百万円返済額に差が出ます。
変動金利に乗り換える際には金利が高くなったときのリスクを頭に入れておきましょう。
まとめ
マイナス金利政策が施工されている今確かに住宅ローンを乗り換えた方が返済金額を減らせる可能性が高くチャンスです。
しかし金利が下がったからといって簡単に乗り換えてしまうと後に後悔することになる可能性もあります。
まず乗り換えに関する情報を集めて、自分がもし乗り換えをしたらいくら返済金額が減るのかシュミレーションをしてみましょう。
その結果と諸費用を引いてもし乗り換えにメリットが出るのであれば乗り換えをオススメします。
乗り換えの注意点やデメリットのところでも解説しましたが、固定金利から変動金利へ変更する際には十分注意をしてください。
また、現在借りている銀行で相談をすることで金利を下げてもらえる可能性もありますので、まず1度現在の借入先へ交渉をしてみると良いでしょう。
その結果で乗り換えを考えてみて下さい。
もし乗り換え後と金利が変わらなければ、乗り換える分諸費用が余計にかかるので損になってしまいます。
今回は住宅ローンの乗り換えにかかる費用と注意点、メリット・デメリットについて解説しました。