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山林購入をするための手続きとは?注意するべき点と税金についても徹底解説!

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山林購入をするための手続きとは?注意するべき点と税金についても徹底解説!

日本は森林国家です。国土の7割が山林と言われています。

さらに、その山林の6割は私有林です。先祖代々、大切に守られた山林もあれば、相続したもののどうすれば良いかわからない人の山林もあるでしょう。

最近は、山林を所有しているものの、都会に住んでいて放置してしまっているケースが増えているようです。

山林は土地代が安く、固定資産税も安く、購入しやすいと言えます。自給自足の暮らしに憧れている人や、安価な土地を求めて開発を計画している人ならば、山林を買うのも一案でしょう。

しかし、山林購入には注意すべき点もあります。

この記事では、山林購入をするための手続き、注意すべき点、購入するときに必要となる税金について解説します。

購入する山林が決まっていない場合には、積極的に情報収集を!

あなたが購入を希望する山林が具体的に決まっているのであれば、問題ないのですが、これから購入する山林を探すのならば、かなりの時間と労力が必要となることを覚悟してください。

宅地を探すには、不動産業者に問い合わせをすれば、いくつもの候補を提示・提案してくれますし、取り扱っている不動産業者も多数存在しています。

もちろん、山林を取り扱っている不動産業者も存在しますが、市街地では少ないのが現状です。

もし、山林購入を希望する地域が決まっているのならば、その地域の市区町村や、森林組合・森林組合連合会に問い合わせするのをおすすめします。

売却先を探している山林があれば紹介してもらえることが多いです。

また、中には山林の斡旋をしている森林組合・森林組合連合会もあります。あなたの希望と予算などを伝えて、マッチする山林がないか尋ねてみましょう。

もし、まだ具体的に山林購入を希望する地域が決まっていない場合は、林野庁のサイトを利用してみましょう。

林野庁は国有林の競売をしており、その競売情報が掲載されています。

その他、オークションサイトを使った競売には山林も登場することがありますし、山林バンクという民間のサイトもあります。

宅地と比べると、圧倒的に山林の売買情報は少ないです。

その分、積極的な情報収集と、積極的な行動が、重要になります。

山林購入にかかる費用はどれくらいになるでしょう?

山林の相場はピンキリです

山林の売買取引量は少なく相場は不安定で、売買する当事者同士の交渉で売買価格が決まることが多いです。

また、全国的に山林を持て余していて売却したい人が多く、購入する場合は、宅地と比べて価格交渉を有利にすすめることができるケースが多いです。

山林の相場といってもピンキリで、一坪あたり100円を切る山林もあれば、一坪あたり10万円を超える山林も存在します。

もちろん、地域や山林の特徴によって、相場は上下しますが、総じて、都市近郊林地ならば1平方メートルあたり1000円以上、農村林地ならば1平方メートルあたり1000円未満、林業本場林地や山村奥地林地ならば1平方メートルあたり50円未満という傾向が見られます。

これは、宅地にできるかどうかという点が、大きく影響していて、宅地にできる山林は相場が高くなります。

なお、宅地と違って、山林は樹木の種類によっても売買価格が変わり、地価が低くても価値が高い樹木が多ければ、売買価格が高くなるケースもあります。

ときおり、驚くような安い価格で売却されている山林も存在します。

安い価格には必ずその理由があります。

たとえば建物を建てることができない地域であったり、水が引けない場所だったり、土壌汚染されている山林だったり、さまざまな理由があるでしょう。

安い価格の山林を購入する場合は、その安さの理由に納得できない限り、購入するのは避けましょう。

山林を購入するときの仲介手数料は上限がない?

山林は建物を建てるのが目的の土地ではないため、宅地建物取引業法で定められた仲介手数料の上限額がありません。

売買の当事者間で自由に取り決めることができます。しかし、山林であっても建物を建てることが明らかな場合や、既に建物が建っている土地ならば、仲介手数料については宅地建物取引業法で定められた上限額を守らなければなりません。

具体的な仲介手数料の上限額は、次の合計です。

  • (A)山林購入価格の200万円までの部分に対して5%の金額
  • (B)山林購入価格の200万円から400万円までの部分に対して4%の金額
  • (C)山林購入価格の400万円を超える部分に対して3%の金額

たとえば、山林購入金額が500万円の場合は、仲介手数料の上限は次の通りになります。

  • (A)200万円×5%=10万円
  • (B)200万円×4%=8万円
  • (C)100万円×3%=3万円

仲介手数料の上限額=(A)+(B)+(C)=10万円+8万円+3万円=21万円

もちろん、これは上限額ですので、必ずしもこの金額を支払う必要はなく、仲介業者との交渉で決まります。

この上限額を超えて仲介手数料を求めることは違法です。

もし、上限額を超えた仲介手数料を求める仲介業者があれば、上限金額を超える仲介手数料を支払う必要はないことを明確に伝えましょう。

登録免許税は購入者が負担することが多いです

山林を購入すると、登録免許税が必要になります。

売買当事者間で交渉して支払いますが、多くの場合は購入者が負担することが多いようです。

具体的な金額は、山林の固定資産評価額に2%かけた金額が登録免許税になります。

宅地と比べると固定資産評価額は、比較的安い場合が多いので、大きな負担にはならないと考えてよいでしょう。

山林を購入するときには独特の注意が必要!

購入する山林に開発の規制はない?

建物を立てたり、土地を造成する必要がある場合は、購入する山林に開発の規制がないか確認する必要があります。

国や地方自治体で、さまざまな規制がありますが、代表的な例として、市街化調整区域の土地には建物を建てることはできません。

その他にもさまざまな規制がありますので、山林を購入するときには、購入した山林をどう活用するのかについて、仲介業者にしっかりと伝えることが重要です。

公募面積と実測面積の違いに注意しましょう

宅地と同様に山林も法務局に登記されています。

しかし、山林は宅地と比べて、登記されている公募面積と、実測面積が大きく異なる場合があります。

一般的に山林は宅地より広いことが多いため、売買するときには、実測せず公募面積を基準に売買価格を決めることが多いです。

膨大な山林を実測すると、その経緯費がかさむため、実測して公募面積と比較するのは現実的ではありませんが、心づもりする必要があります。

また、宅地と違って、山林は周囲との境界が不明確になっている場合も多いです。併せて注意しておきましょう。

購入する山林の状況を確認しましょう

購入する山林を実測して確認するには手間とお金がかかりますが、購入する前に可能な限り、購入する山林を実際に訪れることをおすすめします。

購入時には、登記情報、航空写真、説明資料など、山林の状況を把握する資料を入手するでしょう。

しかし、実際に訪れてわかることもあります。

購入する山林が

  • どのような環境なのか
  • どのような木が育っているのか
  • 水が流れているのかいないのか

など確認しましょう。

そして、可能な範囲で、地元の住人に話を聞いて、

  • 大雨洪水の度合い
  • 土砂崩れの実績
  • 活断層の存在

などについて確認しましょう。

購入した山林をどのように利用するのか、いろいろ考えられますが、どのように利用する場合でも、道路に接しているかどうかは、重要なポイントです。

山林を購入する場合は、できる限り道路に接した山林を購入するようにしましょう。

もしあなたの山林へ行くのに、他人が所有する山林を経由しなければいけない場合、無断で通ると不法侵入になります。

どうしても、他人の山林を経由しなければあなたの購入する山林に行けない場合は、事前に通行許可を得ておくことが必要です。

もし、通行許可が取れない場合は、道路に接していない山林を買うのは避けましょう。

また、建物を建てる計画があるならば、山林の傾斜も確認しましょう。

傾斜の度合いによって、土地造成の費用が全く違ってきます。

傾斜がきつくなればなるほど、造成費用は高くなります。

まとめ

いかがでしょうか?

山林は、宅地と比べると安く手に入れることができます。

ただ、気を付けなければいけない点もあります。

積極的な情報収集をして、希望通りの山林を見つけてくださいね。

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