空き地などを所有されている方は、土地活用を考えていることも多いですが、サブリースという方法をご存知でしょうか?
サブリースは、土地の所有者がサブリース会社と契約する事で賃貸収入が得られるというシステムですが、どのような仕組みになっているのか?心配な方も多いのです。
サブリースのメリットやデメリットを中心に、
- 土地活用としてサブリースが良いのかどうか?
- どうやってサブリース会社を見つけるのか?
- 契約前の注意点について
などをご紹介いたします。
記事の目次
不動産のサブリースとは?
一般的に不動産物件を人に貸す場合、不動産業者に仲介してもらって貸したとしても、大家さんと借主の直接契約になります。
この直接契約ならば、不動産物件の賃料などは全て大家さんの収入となり、利益率もたかくなるでしょう。
しかし、所有している不動産物件が何十年もずっと空室なしで満室という事は少ないです。
空室リスクがあるだけではなく、不動産物件の管理も行わなければなりません。
このようなリスクや管理の煩わしさをまとめて解消してくれるのがサブリースです。
サブリースは、サブリース会社がまず不動産物件を一括借り上げ(家賃保証)してくれます。
直接契約に比べて収入は低くなりますが、空室リスク分も全て含まれているので、大家さんは安心です。
また、借主はサブリース会社と契約するので家賃の管理などの管理業務も大家さんは行う必要がありません。
自分の不動産物件をサブリース会社に管理運営してもらい家賃保証があるというのがサブリースです。
サブリースの仕組み
サブリースにも色々な会社がありますが、有名なのは大手サブリース会社でしょう。
このようなサブリース会社は、テレビCMなどでも土地活用でサブリースが良いというのを宣伝しています。
このようなサブリース会社の仕組みは次のようになっています。
まずは、土地を所有している大家さんに新築賃貸物件を勧めてサブリース契約も結ぶのです。
もちろん、大家さんが建築費用を出しますのでサブリース会社には相当の利益が入ってきます。
その後、家賃保証で毎月賃貸収入が大家さんに入るようになるでしょう。
大家さんは、その中から新築物件の費用を払っていくのですが、新築費用は全額最初に払う大家さんもいらっしゃいます。
家賃の管理などはサブリース会社が行います。
定期的に修繕などの費用がかかるのですが、こちらは大家さんが払う事になるでしょう。
サブリース会社も利益にならない事は行いませんので、どちらが得なのか?よく考える必要があるのです。
マスターリースとサブリースの違い
サブリースは、サブリース会社が大家さんから不動産物件を一括借り上げする契約ですが、マスターリースとは?どのような契約なのでしょうか?
例えば、マスターリース会社によっては、大家さんとビル1棟などをマスターリースします。
このビルは、サブリース専用で借りる不動産物件です。
監理なども全てマスターリース会社が行うというもので、サブリースと混同する方もいらっしゃいます。
サブリースのメリット
サブリースのメリットには次のようなものがあります
- 家賃保証してもらえる
- 空室リスクを考えなくて良い
- 安定収入が見込める
- 入居者トラブルにならない
サブリースの一番のメリットは、何といっても家賃保証です。
不動産物件は、どうしても空室リスクがあり、物件によっては、部屋数の半分が空室だというアパートもあるでしょう。
このような物件になると、固定資産税などを支払っても赤字になる可能性すらあるのです。
家賃保証ならば、空室があっても無くても家賃が保証されています。
また、煩雑な賃貸管理をサブリース会社におまかせできるのも魅力の一つです。
サブリースのデメリット
サブリースのデメリットには次のようなものがあります
- 入居者を選べない
- 物件建築費が高くなる
- サブリース会社倒産リスクがある
- 建設費など負担しなければならない
- 賃貸経営には口出しできない
- 家賃が築年数と共に下がる
サブリースの場合、サブリース会社と借主の契約になる為、大家さんは口出しする事はできません。
また、一般的な家賃より家賃保証の分安くなります。
サブリースでは、ずっと同じ家賃を保証しているわけではなく、築年数などによって家賃が下がっていきます。
更に、物件を新築する時にはサブリース会社の業者を使うので競争が無く建築費が高くなることも多いでしょう。
このようなデメリットを納得した上でサブリースを契約するかどうか決めた方が良いのです。
サブリースを依頼する時の注意点
サブリースを依頼する時には、いくつかの注意点があります。
注意点をきちんと押さえて契約しないと、トラブルになることもありますので気を付けましょう。
どうやってサブリースの会社を見つけるのか?
サブリース会社の方から営業に来るような場合は、条件の良い場所に土地を持っているような人だけです。
一番、手っ取り早いのはネットからサブリース会社に問い合わせる事ですが、大手のサブリース会社だけではなく、小規模なサブリース会社もあり、信頼できる会社かどうか調べてから問い合わせるのがおすすめです。
サブリース会社によっては不動産を見たうえでサブリースができないという場合もあります。
収益が難しいような場所ではリスクを負ってまでサブリースを行いませんので、複数の会社に問い合わせてみるのも良いでしょう。
サブリースの契約期間と費用
サブリース契約は様々な種類があり、サブリース契約も会社や場所によって違ってくることがあるでしょう。
賃貸物件を新築する場合は、30年一括借り上げなどの家賃保証が付くこともありますが、既存の不動産物件の場合、10年から20年など、その物件に合わせた契約期間になるのです。
また、物件の新築費用だけではなく、定期的な修繕費用なども大家さんは払う事になります。
修繕費が高いサブリース会社もあるので気を付けましょう。
家賃保証をきちんと計算する
家賃保証は、一見、空室リスクや管理の費用も無い為、ものすごく良い条件の様に思います。
ただし、よく計算してみると、そんなに儲かっていない場合も多いのです。
新築費用はもちろん、建てた後も様々な費用がかかります。
新築して10年後には大規模な修繕が必要な場合もあるでしょう。
せっかく家賃保証で定期収入があっても、修繕費で数百万円必要ならば計算に入れておかないと大変な事になります。
サブリース契約をする前に、このような費用がいくら位かかり、毎月いくら位の費用を積み立てておけばよいのか計算して準備しましょう。
免責期間に気を付ける
サブリース会社によっては、免責期間が契約で設けられている場合があります。
免責期間とは、家賃保証をしなくて良いという条件なので、大家さんにとってはすごく不利です。
この期間中、大家さんは無収入になってしまいます。
不動産物件を新築してからと、入居していた人が退去した後、免責期間を設けているサブリース会社もあります。
どちらも、サブリース会社に有利な条件で大家さんの空室リスクを増やす要因になります。
免責期間が長いサブリース会社とは契約しない方が良いでしょう。
修繕費などの費用がいくらなのか?
サブリース会社によっては、新築後、10年、15年などで大規模な修繕を行います。
このときの費用は大家さんが負担する事になるのです。
不動産物件の規模にもよりますが、大規模な修繕の場合、修理費だけで数百万円という事も珍しくありません。
サブリース会社関連の所に頼むことになるので、普通より修繕費も高めになるでしょう。
また、この修繕を断ると、サブリース会社が契約を更新しない事もあります。
最初の契約の時点で修理も条件に含まれていますので、大家さんはこの資金を貯めておかなければ修理代支払いの際に大変な事になるのです。
契約後やトラブルの元になりますので、契約前に修繕費やかかる費用についても詳しく説明してもらいましょう。
契約変更での補償内容確認
家賃保証だと、最初の収益がずっと続くと思っている人も多いですが、多くのサブリース会社が、2年に1度位の間隔で契約更新を行っています。
契約更新の際には、築年数によって家賃保証も下がっていくのです。
サブリースで年数が経つと思っていたより少ない家賃保証になるという人が増えていくでしょう。
こちらも契約する前にどれ位の割合で家賃収入が減っていくのか?大体のシミュレーションを出される事もあるので、よく検討しなくてはなりません。
まとめ
土地活用を考えている方の中には、安易にサブリースを始める方もいらっしゃいます。
自分で賃貸経営している場合なら、途中で様々な問題が起こったら、自分で対処できますが、サブリース契約をしているならそういうわけにはいきません。
たとえ、サブリース会社との契約を解除して物件を売却しても、違約金を支払う事になりますし、賃貸物件は高くで売れないのです。
しかし、サブリースは、利用価値が高い土地では非常に有効な手段でしょう。
特に不動産賃貸などを自分で行う自信が無い方は、良いサブリース会社を選んでお願いするのもおすすめです。
まずは、サブリースのメリットとデメリットなどをよく考えて、じっくりと説明してもらい、納得してから契約するようにしましょう。