人生には様々なイベントが起こります。
結婚すること、子どもが生まれること、家やマンションを購入すること、どれも大きなイベントです。
転勤や家族構成の変化などの理由で、マンションを売却すること、それも大きなイベントです。
マンションを売却する場合、
- どのような手続きが必要なのか?
- どのような費用がかかるのか?
- 確定申告はどうすれば良いのか?
などについて、マンション売却の流れとポイントをこの記事で説明します。
記事の目次
マンション売却の進め方
多くの方にとってマンション売却の機会は少ないので、どのように進めればよいのかわからない方もいるんじゃないでしょうか?
マンション売却は、次のように進めます。
- 1.マンション売却の売却価格を決める:不動産業者に見積り依頼する。
- 2.不動産業者と売買仲介契約を結ぶ:専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約のいずれかの契約をします。
- 3.売買交渉をする:購入希望者の内覧を受けたり、売買条件を交渉します。長期間、売買契約が結べない場合は、売却価格を引き下げることもあります。
- 4.購入者と売買契約を結ぶ:住宅ローン未完済の方は、ローンを借りている金融機関とローン返済の手続きをします。
- 5.マンションを引き渡す
マンション売却を成功させるには仲介業者選びが重要です!
マンション売却するときに、まず考えなければいけないのが、どの不動産業者をマンション売却の仲介業者に選ぶかという点です。
この仲介業者選びはマンション売却を成功するのに重要なポイントとなります。
マンションに住んでいると、
- 「このマンションを求めている人がいます。」
- 「マンションを売るなら当社で!」
など書かれたチラシがポストに入っているのを目にすることがあります。
もし、売却するマンションのポストにこのようなチラシが入っている場合は、チラシの不動産業者に連絡してみましょう。
すぐに見積りを進めてくれるでしょう
マンション売却の見積もりは複数業者で!
マンション売却の見積もりは、1つの不動産業者だけではなく複数の不動産業者に依頼しましょう。
複数の不動産業者に見積もりを依頼すると、あなたのマンションの相場がわかりますし、信頼できる不動産業者なのかどうか見極めるのにも役立ちます。
ネットで一括見積できるサイトもあります。
簡単に見積り依頼できて便利ですが、より詳細な見積もりを求めるには、実際に不動産業者の担当者が売却するマンションに来てくれる不動産業者を選んだほうがよいでしょう。
不動産業者によって見積金額に差が出ることがあるでしょう。
しかし、たとえ高額な売却価格を出す不動産業者があったとしても、購入希望者が見つからなければ、マンションを売却することはできません。
マンションが売れないまま長期間過ぎると、売却価格を下げる必要も出てきます。
売買契約の種類にも変わってきますが、不動産業者がどの程度、広告や販売活動をしてくれるのかという点も仲介業者を選ぶポイントになります。
仲介契約を結んだ不動産業者は「レインズ」という不動産流通機構が運営するシステムに売却マンションを登録して購入希望者からの問合せを待ちます。
それ以外にも、自社サイトへの掲載、新聞広告・チラシ・不動産購入フリーペーパーの活用、オープンハウスの開催など、販売活動は考えられますが、広告例を見せてもらったり、具体的な内容を確認することも重要です。
マンション売却の経費ってどのようなものがあるの?
マンションを売却すると、あなたの口座に大金が振り込まれますが、様々な経費が必要になります。
どのような経費がどれくらい必要になるのか、事前に把握しておくことも必要です。
これらの経費を踏まえて、売却価格を決めましょう。
では、どのような経費が必要になるのでしょうか?
仲介手数料
マンション売却で最もかかる経費が仲介手数料です。
仲介手数料は、マンション売却が成立した場合、仲介業者に報酬として支払うものです。
仲介業者によって金額は異なりますが、法律で上限が決められています。
仲介手数料の上限金額は、次の通りです。
- 売却額200万円以下の金額については、取引額の5%が上限
- 売却額200万円を超え400万円以下の金額については、取引額の4%が上限
- 売却額400万円を超える金額については、取引額の3%が上限
たとえば、1000万円のマンションを売却した場合の仲介手数料上限金額は、
- 200万円×5%=10万円
- 200万円×4%=8万円
- 600万円×3%=18万円
これらを足し合わせた36万円となります。
埋却額が400万円を超えるマンション売却の場合は、売却額×3%+6万円で計算することもできます。
なお、消費税もかかりますので忘れないようにしましょう。
中には、仲介手数料が割安や無料の不動産業者もありますが、きちんとした販売活動を求める場合には、納得がいく仲介手数料を支払うことをおすすめします。
なお、仲介手数料を支払うタイミングは、仲介契約によって異なりますが、売買契約締結時に半分を支払い、引き渡し完了時に残りを支払うことが多いです。
印紙税
マンション売却が決まると、購入者と売買契約を結びます。
売買契約には契約書を取り交わしますが、このときに収入印紙による印紙税納付が必要になります。
印紙税は売却金額によって異なります。
- 500万円超1000万円以下の場合は、5,000円の印紙税
- 1000万円超5000万円以下の場合は、10,000円の印紙税
- 5000万円超1億円以下の場合は、30,000円の印紙税
所得税・住民税
マンションを売却して売却益が発生した場合は、譲渡所得税と住民税を支払う必要があります。
マンション売却するときの売却益は、次のように計算します。
売却益(課税所得)=売却価格-取得価格-取得費用-売却費用-特別控除
- 売却価格:マンション売却した価格
- 取得価格:マンション購入した価格
- 取得費用:マンション購入にかかった費用
- 売却費用:マンション売却にかかった仲介手数料などの費用
- 特別控除:3000万円控除、買い替え控除など
売却益が出た場合は、マンション売却直後の確定申告で手続きをする必要があります。
ただ、マンションの売却価格が購入価格より高くなるケースは、ほとんどありませんので売却益がマイナスになることが多いです。
この場合は、所得税と住民税を支払う必要はありません。
なお、税金関連の法律や仕組みは複雑なので、仲介業者や税務署に相談することをおすすめします。
住宅ローン繰り上げ返済手数料
売却するマンションの住宅ローンが残っていた場合、マンション売却と合わせて住宅ローンの一括繰り上げ返済をする必要があります。
売買契約の目処がついたら、金融機関に相談することをおすすめします。
住宅ローンを繰り上げ返済するには、所定の手数料が必要になります。
金融機関ごとに異なりますが、数万円程度だと考えておきましょう。
登記費用
売却したマンションの持ち主を変更する登記手続きをすることが必要になります。
また、マンション売却に合わせて住宅ローンを一括繰り上げ返済する場合は、抵当権の抹消のための手続きが必要になります。
自分自身で手続きすることもできますが、司法書士に依頼するのが一般的です。
登記費用と司法書士費用を合わせて数万円程度だと考えておきましょう。
ハウスクリーニング代
必ずしなければならないわけではありませんが、壁や床が汚れたり傷ついている場合は、ハウスクリーニングをした後、不動産業者に見積もりを依頼する方が、売却価格を高く設定することができます。
マンション売却後に確定申告は必要?
マンションを売却すると、売却直後の確定申告が始まる前に所轄の税務署から郵便が届きます。
不動産業者か金融機関から税務署に報告がいくのか、マンション売却は税務署にばれています。
マンション売却で売却益が出た場合は、必ず確定申告をしましょう。
売却したマンションの所有期間で税率が変わります。
所有期間が「5年以下か?」、「それ以上か?」で変わります。
具体的には次の通りです。
- 所有期間が5年以下の場合:売却益(課税所得)×39% (所得税30%、住民税9%)
- 所有期間が5年を超える場合:売却益(課税所得)×20% (所得税15%、住民税5%)
マンション売却で売却益が出ないことが多いのですが、その場合は、確定申告をする必要はありません。
ただし、一定の条件を満たす場合、税金の還付を受けることができる可能性もあります。
おおよその条件は次の通りです。
- 売却したマンションの所有期間が5年以上で、住宅ローンが10年以上残っている場合
- 居住用のマンションを住み替えた場合
- 売却したマンションの所有期間5年以上
- 住み替えたマンションの床面積が50平方メートル以上
- 売却した年の前年から翌年までの3年の間に住み替えマンションを購入した
- 住み替えたマンションの住宅ローンが10年以上残っている
条件に合致する場合は、マンションを売却した年度の給与などの所得と合算して税金を算出することができるので、税金の還付を受けれる可能性があります。
また、1年で控除できない場合は最大3年間、給与などど合算して税金を算出することができます。
なお、詳細な条件などもあるので、該当するような場合は、不動産業者や税務署に相談してみましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
マンション売却について、手続きの流れや、必要な経費について理解できましたか?
あなたのマンション売却がうまくいくことを祈っています。