都市部を中心に交通の便が良い場所には、必ずマンションが建っていますが、所有しているマンションを売ろうか貸そうか悩んでいる人も多いです。
家を購入したり、引っ越しをしたりで居住しないマンションは、売るのと貸すのとどちらの方がよいのでしょうか?
今回は、マンション売却と貸すのではどのような違いがあり、どちらがお得なのか検証してみます。
記事の目次
マンションは売った方が良いのか?
中古マンションを売る場合、築年数や場所によって買った時より値上がりする事もありますが、滅多にないのが現状です。
半額以下とまではならないですが、購入時より確実に安くでしか売れないでしょう。
しかも、マンションのローンが終わっていないと売れませんので注意しましょう。
マンションを売る場合は、どのようにすればいいかもご紹介します。
マンション一括査定で価格を確認
まず、マンションを売ろうと思うならば、自分が所有するマンション価格を確認しておきましょう。
一番、手っ取り早くマンション価格を調べるならば、ネットのマンション一括査定サイトなどを活用すると良いでしょう。
このようなサイトでは、住所やマンションの広さ、築年数などで、大体の査定価格が数分程で判ります。
ただし、その金額そのままで売れるわけではなく、しっかり不動産会社が査定してから確実な査定金額がでるのです。
その為、一括査定金額は目安として考えた方が良いでしょう。
また、その金額から費用や税金などを引かれる事も多いので、手取りの金額はかなり少なくなります。
マンション売却でかかる費用
マンションを売却する場合は、費用や税金として次のようなものがかかります。
- 印紙税(名義変更など)
- 仲介手数料(不動産業者に払う手数料)
- 測量費用(測量をした場合に限る)
この金額は、マンションのローンを完済している場合です。
マンションのローンがある場合、このほかに次の様な費用がかかります。
- 登記費用
- 繰り上げローン返済手数料
- 抵当権抹消費用
その他、マンションを高く売った場合、所得税と住民税がかかることもあるでしょう。
マンションの価格によってこれらの費用が異なりますので不動産業者等に計算してもらいましょう。
ローンがあればマンションは売れない
マンションを売ったり貸したりしたいと考えている人の中には、マンションのローンがまだ残っている人もいらっしゃいます。
基本的には、マンションのローンが残っている状態でマンションを売る事はできませんので気を付けましょう。
なぜなら、マンションのローンが残っている場合、ローンをしている銀行などの抵当にマンションが入っている為、銀行の了解が無いと売れないからです。
例えば、銀行のマンションローンが1千万円残っているとします。
この1千万円より高い金額で売れるようならば、ローンを返す事ができるので、現実的に売買する事が可能ですが、銀行の了解も事前に取っておかなくてはなりません。
ローンを返してしまえば問題ないので、自己資金で返済し売るという方法もあります。
マンションは貸した方が良いのか?
マンションは売らずに貸すと最初から決めている人もいるのですが、本当に貸した方が良いのでしょうか?
マンションを貸す場合のポイントやかかる費用についてご紹介しましょう。
マンションを定期借家契約にする
マンションを売らずに貸したいという人の中には、将来的にそのマンションに戻りたいという人もいらっしゃいます。
例えば、外国などへの転勤で3年から5年留守にする場合、マンションをその間だけ誰かに貸したいという場合、どのようにすれば良いのでしょうか?
通常の賃貸契約では、貸す期間を定めることができません。
しかし、定期借家契約にすれば、期間を定めることができます。
定期借家契約ならば、貸す人の都合に合わせられますが、その分借主が見つかる確率は少なくなるでしょう。
また、定期借家契約だと、通常の賃貸契約より安く貸さないと借主が見つからないという事も考えられますのでよく検討してから決めた方が良いでしょう。
マンションを貸す時にかかる費用
マンションを貸す時には、次のような費用がかかります。
- 火災保険料(契約で借主負担にもできる)
- 仲介手数料(契約ごとに必要)
- 所得税と住民税(賃貸収入に応じて)
- 固定資産税と都市計画税
- 管理委託料(管理会社に管理をお願いする場合)
- 修繕費(室内備品の故障やマンション修繕など)
これらのマンションを貸す時の費用は、当然、賃料から経費として引くことができ、残りを申告する事になります。
不動産業者に査定してもらってマンション賃料を決めますが、これらの費用が大体いくら位になるのかもよく計算しないといけません。
貸したお金がまるまる懐に入るわけではなく、税金や保険料、修繕費も毎年かかるという事を頭に入れておきましょう。
ローンがあればマンションは貸せない
マンションを売る場合と同じく、マンションのローンが残っている場合、マンションを貸せない事もあるでしょう。
ローンを借りている銀行にもよりますが、黙ってマンションを貸したりすると調査に入られて、一括返済を迫られる事もあるのです。
マンションでローンを借りる時の資金使途は、自己居住用住宅の取得のための資金借り入れなので、無断で人に貸すというのは契約違反になります。
ローンさえ払えば、人に貸しても良いと思っている人もいるようですが、これは自分のためにもよくありません。
マンションローンによっては、銀行の許可があれば貸す事ができるものもあるようですので、自分が借りているマンションのローンがどのようになっているのか確認しましょう。あ
マンション売却のメリットとデメリット
マンションを売却する場合どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
マンション売却のメリット
マンション売却には次のようなメリットがあります
- ローンを完済する事が可能
- 固定資産税や都市計画税を減らせる
- 火災保険や地震保険を減らせて戻ってくる
- 銀行保証料が戻る
- マンション値下がりリスクを無くせる
- マンション維持費が不要になる
マンションを購入したけど諸事情により年収が下がり、毎月のローンが苦しいという人も多いです。
このような方は、現在のマンションを売って住み替えをした方が良いでしょう。
他にも、様々な費用がかからなくなったり、税金を抑えたりする事もマンション売却のメリットになります。
マンション売却のデメリット
マンション売却には次のようなデメリットがあります
- マンション売却で資産が減る
- 購入価格よりかなり安くでしか売れない
- マンションローン返済金額が足りず自己資金も必要
- 引っ越さなければならない
- すぐにマンションが売れるか判らない
- 売れるまで固定資産などはずっと払う
- リフォーム費用がかかる場合もある
- 瑕疵責任が問われる可能性もある
- 転居費や仲介手数料等の費用が必要
マンション売却は、売れるまでにかなりの時間がかかる物件もあって、その間の固定資産などは払い続けなければなりません。
空き家だとすぐに内覧して売れる可能性もアップしますが、マンションに住んでいる状態で売却しようとすると、なかなか難しい場合もあるでしょう。
マンションを貸すメリットとデメリット
マンションを貸す場合どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
マンションを貸すメリット
マンションを貸すには次のようなメリットがあります
- 毎月収入が入る
- ローンや固定資産税などが経費になる
スムーズにマンションの借り手が見つかれば、毎月家賃収入があるので貸すのはお得に感じるはずです。
マンションにローンが残っていたり、固定資産税を支払っていたりするならば、これらが経費になりますので、確定申告の時に差し引くことができ、節税対策にもなるでしょう。
マンションを貸すデメリット
マンションを貸すには次のようなデメリットがあります
- 賃貸トラブルを起こす可能性がある
- 空室リスク
- 仲介手数料やハウスクリーニング費用などがかかる
- 二重ローンになる
- 売却時の価格が下がる
マンション(資産)を人に貸すという事は、少なからずリスクを負う事もあるでしょう。
住んでいる人が家賃を払ってくれない可能性もありますし、空室リスクも考えなければなりません。
費用もマンションを貸している間突発的に必要になることもあるでしょう。
また、一度、マンションを貸してしまうと、賃貸物件として取り扱われるため、売却しようと思った時に安くでしか売れません。
ずっとマンションを貸すなら問題ないですが、こちらも考えておきましょう。
まとめ
マンションを売るにしても貸すにしてもそれぞれメリットとデメリットがあります。
それぞれのマンションによって、
- 売却した方がお得なのか?
- 貸した方が良いのか?
わかれることもあるでしょう。
駅から近い人気のエリアの場合、貸しても良いかもしれませんが、交通の便がちょっと悪い所ならば、売った方が良い場合も多いです。
このように、マンションの場所によっても違ってくるので、まずは専門家である不動産業者に相談してみましょう。
売却と賃貸のメリットとデメリットをよく比較して、不動産業者の話を参考にして決めた方が無難かもしれません。
マンションのローンなどがある場合は、特に気を付けないとトラブルになることもありますので、焦らずにじっくり売るか貸すか決めてください。