今、日本社会で問題になっている空き家ですが、2013年には820万戸だった空き家が、2033年には2150万戸になると予想されていることをご存知でしょうか?
今のままでは総戸数の約3割が空き家になると言われています。
実際、様々な事情で空き家を持っているという方もいるでしょう。
空き家を持っている人は、何とか活用したいけどできないというのが現状です。
今回は、空き家をどのように活用する事ができるのか?具体的な方法をご紹介します。
記事の目次
空き家をどうする?3つの方法
空き家を活用する方法は次の3つがあります。
- 自分で空き家を使う
- 誰かに空き家を貸す
- 空き家を売却する
まずは、この3つの中からどれを選ぶかで活用事例が違ってきます。
本当は、空き家にせず、自分で使うのが一番良いですが、空き家が地方だったり、職場から遠い場所だったりするならば、他の活用法を考えるしかありません。
空き家の活用事例には、どのようなものがあるのでしょうか?
空き家を賃貸物件として貸す
空き家をお持ちの方で、最初に思いつくことが多いのが賃貸物件として人に貸す事です。
現実的には賃貸物件には向かないような空き家もありますが、どのような方法があるのでしょうか?
空き家の賃貸物件としての活用事例をご紹介します。
貸家として貸し出す
空き家の活用で貸主の希望が多いのが貸家でしょう。
不動産屋さんにお任せし、借主を探してもらって見つかれば、空き家を貸すことも可能です。
しかし、空き家で賃貸物件になる様な家は割合から言うと少ないと思ってよいでしょう。
なぜなら、賃貸で家を借りる人は、中古でもグレードの高い家を借りる傾向が強いからです。
誰でもお金を払って家を借りるならば、古い家より新しい家を借りたいです。
空き家になっているような家は、築10年とか20年を超えているような物件も多く、築10年位までなら賃貸で貸すことも可能でしょう。
しかし、築20年を超える物件は賃貸で借りたいという需要が少ないのが現状です。
まずは、不動産業者と相談して賃貸で貸せる物件なのかどうか見てもらうと良いでしょう。
築年数が古い物件でも、古民家や京都の町屋のような物件だと借りたいという人は多いです。
物件の造りや歴史によっても違いますので、専門家の意見も聞いてみましょう。
店舗として貸し出す
空き家の活用法で人気が高い物に店舗として貸し出す方法があります。
空き家でも、以前店舗として使っていたとか、古民家や町屋などの特殊な物件の場合、店舗として貸し出すことも可能です。
空き家で店舗として貸すには、立地条件が左右します。
商店街や住宅地などでも道沿いにあるような物件は貸すこともできるでしょう。
近年は隠れ家カフェなども人気があるので、リノベーションして貸すこともあるようです。
シェアハウスとして貸し出す
特に、都市部の空き家ならば、シェアハウスとして活用する事もできるでしょう。
都市部でも比較的大きな空き家ならば、シェアハウスに向いています。
部屋数が5部屋位あれば、ちょっとリフォームする事でシェアハウスとして活用する事もできるのです。
近隣の賃貸物件より安くし、男女別や防音設備など特徴を出せば賃貸物件として人気が出る事もあるでしょう。
借主負担DIY型として貸し出す
近年、最も注目されている賃貸の形が借主負担DIY型です。
一般的な賃貸物件は、貸主の責任で物件の修繕などを行います。
借主負担DIY型では、借主が修繕や改装を行っていくので貸主の負担はとても少ないです。
しかも、借主が退去する時はキレイになって返って来ることも考えられますし、自分でDIYした家なので愛着が湧き、長く住むこともあるでしょう。
借主も現状で借りると家賃が格安になることも多いので、DIY好きの人にはピッタリです。
貸主と借主にメリットがある借主負担DIY型は、これから増えてくる賃貸の形だと言えます。
空き家バンクに登録する
地方自治体などでは、UターンやIターン、人口流出を防ぐために様々な空き家活用対策を行っています。
その中の一つが空き家バンクと言われるもので、空き家を登録しておくと、格安ではありますが、賃貸物件として活用される事もあるのです。
物件によっては、賃貸収入自体そんなにありませんが、空き家をそのままにしておくよりも良いとか、地域で活用して欲しいという人が空き家バンクに登録しています。
家賃も安いので良い物件は、すぐに借主が見つかることもあるようです。
空き家の売却事例について
空き家を所有している人の中には、いつかは自分で住むかもしれないから持っているという人もいます。
維持費や修繕費、税金などがかからないならばそれでもかまいませんが、空き家はだんだん価値が下がり、自分が住もうと思った時には、住めない状態になることもあるのです。
相続などで空き家を手に入れた場合、貸すより売る、という人が多くなっています。
空き家を売る方法には、どのようなものがあるのかご紹介します。
空き家付き土地として売る
空き家を売る人の中には、ネット査定などを活用される方もいらっしゃいます。
ネット査定では、住所や空き家の築年数、広さなどを入力する事で査定額が簡単に判ります。
査定金額を見てあまりの安さにびっくりする人もいるでしょう。
空き家でなくても家は築10年で査定価格がゼロになります。
つまり、土地だけの価値しか査定金額には入らなくなるのです。
家を1千万円、土地を1千万円で買っても10年過ぎて売れば、土地の価格のみ1千万円だけとなります。
10年より新しい空き家の場合は、売れる確率もグンとアップします。
空き家を付けて土地を売ろうと思われた時は、まず、査定価格を見てから、検討されて下さい。
空き家を解体して土地だけ売る
空き家を持っている方の中には、空き家に思い入れがある人も多いですが、そのままの状態では売れない事も多いです。
買う人にとっては、土地だけのほうが空き家付きより良いというケースもあるでしょう。
そんな時は、空き家を解体して土地だけ売ることも検討してみて下さい。
解体費用は、空き家の大きさや広さ、木造か鉄筋コンクリートなのかで違ってきます。
数十万円から数百万円かかることもあるでしょう。
しかし、更地にした方が高く売れたという事も多いです。
土地だけでも売りたいならば、空き家解体も検討しましょう。
リノベーション物件として売る
田舎、都会と問わず話題となっている不動産取引がリノベーション物件です。
リノベーション物件とは、空き家などの古い家をリノベーションして、住みやすくし、売却するというものです。
家を売ろうとする人の中には、自分の感覚でリフォームするケースも見られますが、リフォームしても売れない物件は売れません。
それよりも、リノベーション業者に買い取ってもらった方が良い場合もあるのです。
条件さえ整えば、一般的な不動産取引価格より少し安い位の金額でリノベーション業者が空き家を買い取ってくれます。
後は、業者がリノベーションして販売してくれるので心配はありません。
自分で個別に不動産業者と契約して売れ残るよりも、リノベーション業者に売るという方法もあるのです。
貸家と売却のどちらが良いのか?
空き家を持っている場合、貸家と売却のどちらが良いのでしょうか?
一つのポイントは、将来的にその空き家を自分が活用するかどうかです。
今は、仕事の都合などで空き家に住むことはできないけれど、定年退職後は、空き家に住みたいという人もいます。
そういう方は、売却ではなく貸家などを検討した方が良いでしょう。
将来的にも、その空き家や土地に戻ることは無いとお考えならば、思い切って売った方が、維持費などの観点からもおすすめです。
空き家を持っている以上、貸家にするにしてもずっと固定資産税などを払い続けなければなりません。
自分や家族のビジョンがよく判らないような場合は、思い切って売った方が良いケースも多いのです。
ただし、古民家や町屋など、建物としての価値がある様な空き家は別です。
様々な活用法が考えられるので、手放すのは後にした方が良いでしょう。
賃貸などでの借り手もすぐに見つかりますので、どうするか考えている間も賃貸収入を得ていた方が良いのです。
空き家の状態によって様々な利用法が考えられますので、まずは不動産業者などの専門家に相談する事をおすすめします。
まとめ
空き家にはご紹介した以外にも活用事例はたくさんあります。
人気の場所にある空き家なら借りたい人から連絡が入る事さえあるでしょう。
ただし、空き家は持っているだけでお金がかかるというデメリットが発生してしまうのです。
リフォームすれば貸せるとか、売れるとか思っている人もいます。
しかし、実際はリフォームしても借り手がなく、売れない事も多いのです。
まずは、リフォームなど、お金をかける前に、不動産業者などに査定してもらい価値を知ることが重要です。
それからでも、空き家を貸すのか売るのか決断するのは遅くありません。
しっかりと空き家周辺の相場などもリサーチしてから決めた方が良いでしょう。